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絶望の精神史 (講談社文芸文庫―現代日本のエッセイ)

価格: ¥987
カテゴリ: 文庫
ブランド: 講談社
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日本人というモノについて ★★★★★
よきにつけ悪しきにつけ、考えさせられる本です。
面白いよ、とおすすめできる内容では無いだろうけれど、たぶん、一度は読んでみる価値があるんじゃないだろうかと思います。
何となく、今の世相に言えそうな事も書いてるし。
坂口安吾氏の堕落論とかを読んで面白いと思った人にお勧め。
隠された挫折と絶望 ★★★★★
国語の教科書で、金子光晴の詩が紹介されていたはず。

でもこの人の詩世界って、実は凄まじいデカダンスを内包していて、
本来は教科書で取り上げるような性質のものではないのかも。

このエッセイは精神の荒野を旅してきたことで、全く別次元
の視野を獲得したであろう金子光晴だからこその視点で語られた
裏日本史ともいえる。

彼の目で語られる明治・大正の日本は、
ノスタルジーに溢れるロマンの時代では決してない。
眼を血走らせながら
あらゆる西洋の方法論を採りいれる一方、
じめじめした古来の蛮習が当然の如く行われていた、という混沌。
それは例えば、結婚前夜の新妻の鼻先に日本刀を突きつけ
貞節を誓わせる、といった事が本気で行われていたという回想から
窺える。

そしてそんな日本に嫌気がさしたクリスチャンやインテリ達は
続々と西洋に旅立つのだが、彼らを待ち受けていたのは、露骨な
人種差別である。ある者は傷心帰国し、ある者は精神を病み、ある者は
女に溺れ、ある者は東南アジアへ。そして
挫折の負い目はいつしかアジア統一、という幻想へ繋がってゆく。

そういった明治維新直後の混乱から関東大震災、そして
二度目の世界大戦の終わり迄日本の精神的ダークサイドを、

ドライな語り口で回想してゆく好著。

僕自身は正直なところカルチャーショックを受けた。

過去を美化し過ぎるのは、やはり危険なことなのかもしれない。