発音説明以外にはイラストもなく、一見英文ばかりの問題集のようにも見えるが、前置詞の使い方やhave、 tellなどの基本動詞の口語的な使い方など、英会話を始めるために知っておくべき文法事項や単語がみっちり詰め込まれている。たとえば「すみません」と言おうとしたときに、ついつい"I'm sorry"と言ってしまいがちだが、"I'm sorry"と"Excuse me"の用法の解説を読むとその違いがよくわかる。日本語では同じ「すみません」でも、英語では意味が違って聞こえていることに気がつく。
各課は学習しやすいように、1「長文」、2「会話」、3「解説」、4「発音・イントネーション」、5「練習問題」の5つのセクションからなっているので、長文から始めて、わからない単語や構文を解説で補っていくもよし、使えるフレーズをそのまま覚えてしまうもよし。使い方は、自分次第である。ただし、「教本」であるため、英語アレルギーの興味をひくような、おもしろおかしい解説や工夫は期待できない。昔みっちり勉強したのに、英語に触れる機会がないまま忘れてしまった人や、これからコツコツ勉強するぞ、という人に使ってほしい1冊だ。また、大切なポイントが押さえられており、例文や練習問題がふんだんに載っているので、中高生の受験用参考書としても役に立ちそうだ。(久保はるか)