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孤独か、それに等しいもの (角川文庫)

価格: ¥500
カテゴリ: 文庫
ブランド: 角川書店
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喪失の先 ★★☆☆☆
「八月の傾斜」「だらだらとこの坂道を下っていこう」「孤独か、それに等しいもの」「シンパシー」「ソウルケージ」の五篇からなる短篇集です。歳月を経ていくと同時に失われていくもの。そしてそれを失うことによって得られるもの。喪失することでしか見えないものもあるのではないでしょうか。


「だから、僕が言いたいのは、失うってことは、それを本当に喪失してしまうことだから、きっと失ってしまったあとでは何を失ったかすらわからないんじゃないかな。それが失うということだから」
喪失、孤独、そして克服 ★★★★☆
喪失からくる孤独のような感情。
そして、主人公それぞれのそこからの克服。

生きていく上で別れは避けられませんからね。
人間への愛情、信頼 ★★★★☆
「孤独」「憂鬱」「喪失感」「疎外感」。どう表現して見ても、ネガティヴな言葉しか浮かんでこない、そんな短編5作品です。そんな内容的には非常に暗い作品ですが、読んでいてもそれほどに感じません。それは、早目に明るい兆しを見せられているからかもしれません。或いは、その透明感のある文章で、巧みな比喩や象徴的な事物に魅せられているからかも知れません。
5編が5編とも、精神的な病に陥るような酷い状態が描かれます。その酷い状態から、ある一つの事物によって、主人公が立ち直る姿が描かれます。それは、ピアスの穴であったり、赤いスニーカーだったり、いろいろです。いずれにしても、何かに執着することによって、その深い陥穽から抜け出すことが出来るのです。
この5作品は、ある意味ですべて同じテーマのように見えます。そして、そこには作者の並々ならぬ人間への愛情を感じます。或いは、人間への信頼といってもいいかも知れません。どんなに辛くとも、きっと人はそこから不死鳥のように立ち上がることが出来るのだと、語っているこのようです。
影を遺す ★★★★☆
大崎氏の小説を好んでよく読んでます。氏の作品にはよく札幌や北海道、南フランスの風景が多く登場し、正直ワンパターン気味で、ネタの引出しが少ないのかなと思いますが、ハナシの書き方が何となく自分にはしっくりきます。今作は各話全てに登場人物の死があり、それが過去の出来事として、忘れられぬ影を残しながら、主人公がこれからを前向きに生きるハナシです。どれも小気味よかったのですが、最後の「ソウルケージ」はやや難解で重く、CDアルバムのラストの大作曲みたいな印象をうけました。毎度、作品タイトルや装丁も好きです。
うまい嘘をついてよ ★☆☆☆☆
小説は嘘っぱちだ。だからうまい嘘をついてもらいたい。うまい嘘をつく作家がいい作家だろう。そして自分の嘘に溺れないこと、また作品を第三者の目で見ることができるう人というのがいい作家の条件であると思う。そこで著者である。将棋はうまいのだろうが、嘘はへただ。「孤独またはそれに等しいもの」に、地方公務員試験に受かって云々というくだりがある。この話が真っ赤な嘘である。地方公務員は、志望する自治体を受験するのであり、全国共通の地方公務員試験などない。それぐらい調べてから嘘をつけよと思う。はっきり言えばこんなことは常識だ。常識すら知らないのだから嘘が軽い。絶賛のレビューが並んでいるが、正直何の驚きも感動もない。やたら耳障りのいい言葉で、中身のないみえみえの嘘が語られる。自分の嘘に酔ってしまってる。著者の言葉遊びにつきあわされて、やれ傑作だ、感動しただのというひとがいることが不思議だ。これならインチキ宗教も流行るわけだ。パイロットフィッシュのときにも感じたが、この人は小説に向かない。話が長くなればなるほど嘘が粗くなる。いっそ、フレーズだけで勝負できるコピーライターにでもなったらどうか。