オーネット・コールマンの音楽の魅力を、文字で伝えるのは困難だ。フリー・ジャズの人脈で語られることもあるが、彼は作曲も自分の音楽表現の一つとしており、コンポジションを支持するファンも多い。
本盤は1960年代オーネットの最高傑作とされるライヴ・アルバムである。アメリカよりも前衛ジャズを偏見なく受け入れる土壌のあるヨーロッパ、ストックホルムのゴールデン・サークルというクラブでの実況録音盤。編成はいたってシンプル。西洋音楽的ハーモニーに限界を見ていたのか、彼の場合コード楽器を排除した編成が多いが、ピアノもギターもない本盤はベースとドラムスとのトリオ演奏。チャールス・モフェットは前衛系のドラマーにしてはリズム・キープ型で、ベースのデヴィッド・アイゼンソンとの「対話」をメインに進行していく。艶っぽいオーネットのアルトが良く響く。同時期のフリーの旗手、アルバート・アイラーなどに比べると絶叫するようなサックスは吹かない。また独自の解釈でヴァイオリンやトランペットも奏する。(高木宏真)
特別な一枚
★★★★★
個人的な思い出はともかくとして、オーネット・コールマンを人に勧めるときに
この一枚は絶対に外せない。どころかまずこのライブを勧める。
自由に飛翔する3人は、ユーモラスでありシリアスでもある。
こんな楽しいライブが、きっとこのトリオから連日聴かれたのであろうと思うと
CDなんて聴くのが悲しくなるが。
それほどよいCDであります。
オーネット・コールマンを知らない方で、興味のある方・・・
何度も何度も聞いてください。その良さがわかってくると思います。
そういう感性が開かれると、ジャズって言うものの聴き方も拡がると思いますよ。
男気あるれる堂々清々たるオーネット節
★★★★★
1965年12月ライブ録音。男気あふれるオーネットの堂々とした透明なアルトサックスが五臓六腑に染み渡る。チャールス・モフェットの冴え冴えしたドラムスも気持ちよく、ベースのデビッド・アイゼンソンは底辺から演奏を支えている。オーネット空間がどんどん広がり、意識が高揚して、オーネットと一緒に飛翔するかのようだ。豪胆かつ軽快なリズムと彼特有のオーネット節が絶え間ないインスピレーションのもと、よどみなく展開し、よって彼は吼えることなく、自身の切り拓いたジャズそのものに化してゆく。音質もすばらしい。これは広くジャズ名盤の一枚であり、オーネットのベスト盤の一枚に違いない。
フリーの精神が宿るコールマンの最高傑作
★★★★★
オーネット・コールマンの多面性と静謐なフリーの精神を見事に結実させた作品として、記念碑的なコールマンの最高傑作。アルト・サックスだけでなくトランペットやバイオリンまで披露するコールマンのマルチぶりにも驚かされるが、何よりもここで展開されている音楽のクオリティの高さに注目すべきであろう。無調の音楽がこれほど美しく精神的な世界を表出するという衝撃が心を打つ。フリーがブランドとしてではなく実体を伴ったコンセプションとイマジネーションに彩られたとき、われわれは20世紀の最良の音楽の一つの姿を知るのだろう。またこのアルバムのジャケットデザインが比類なき傑作の姿を伝えていることも忘れてはならない。このセンスはあらゆるジャズジャケットの中でも最高の部類に入ると思う。いずれにしても必携盤である。
最も美しいフリージャズ
★★★★★
かなりコワモテの印象が強いフリージャズですが、
高校時代からパンク・ハードコア、ノイズ・コラージュミュージック、ジャーマンプログレが大好きで、
コレに出会った10年前はディープパープルや、ピンクフェアリーズのドラムソロ
又はドラムンベースなどの変則的なスネアに憧れていた頃(今は更生しました)で、
このアルバムの曲を深夜ラジオで聴いて(ラジオで?今考えると不思議ですね)
イッパツで惚れ込んでしまい即買いしてしまいました。
僕がまだ10代の頃、初めて買った「ジャズ」のアルバムです。
ジャズファンよりはアバンギャルドな音楽を好む方寄りのセレクトのような気もします。
しかしドラムのけたたましく肉体的な躍動感、それを支えながらも空間をゆがませるベース、
歪みきった音のストリングス、そして何よりも野性的な咆哮ともいえるアルトサックスの響きは、
これぞ真のジャズとしか言いようがありません。
軽くオシャレなBGMとして、何となく雰囲気でふんふんと「ジャズ」を楽しみたい方には若干不向きかもしれません。
しかし、ブルーノートでイチバン美しいジャケット、そして最も美しいフリージャズと呼ばれるこのアルバムは
アナタの頭・肩を激しくつかんで揺さぶり、身震いとともに価値軸を大きくずらすことのできる1枚であると確信しています。
ヘンテコリンなメロディ
★☆☆☆☆
これは、フリージャズというやつです。ヘンテコリンなメロディの連続です。自分は2度と聴きたくありません。よくよく視聴して決めたほうがいいですよ。ライブなので拍手していますが、なんで拍手しているんだろう?と思うくらいです。5つ星付けている人がいるのが不思議です。全曲オリジナル曲だけどクールでかっこいいアルバムとしてWayne Shorterの[ Speak No Evil ]を推奨しておきます。Wayne Shorterも変な曲が多い人ですが、[ Speak No Evil ]だけは別です。買いのアルバムです。