柊子を取り巻く銀子さん、夏見、竜郎、ご近所の面々。み~~んなの”日常”から出る謎に、その都度誰かが探偵役をつとめ、解決へと導いていく。
世間知らずで、恐ろしく常識ずれした銀子さんに振り回されながらも、そんな日々に愛情を抱いていく柊子。幽霊に出くわしたり、会社を首になったりと散々な目に遭いながらも、弱い自分をなんとかしよう、この橋を渡って向こう岸へわたろうとする柊子にとても好感が持てま~~す。
人は誰もが強いわけではなく、たいていの人が自分自身にコンプレックスを持ちながら、それでもいろんなことに一生懸命になっている。それをユーモア交えた”毒気”をもって描き出す若竹さんの作品が大好きです。
日常の謎解きですからカテゴリーとしては”ミステリ”に分類されるんでしょうが、柊子の心の変化を描いた物語として読んでも面白~~いのではないかと思います。~
説明のつかない出来事や、説明しづらい感情。生きているとしばしば出会うもの。
いつもどおりのコミカルな進行で、時に苦く切ない日々。進んでいく日々。
何度でも読みたくなる物語です。