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スクランブル (集英社文庫)

価格: ¥1
カテゴリ: 文庫
ブランド: 集英社
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青春小説としても読み応えあり!! ★★★★☆
女流作家のミステリは初めてだったのですが
非常におもしろかったです。

15年前、女子高生時代のエピソード。
これも時代を感じさせる小道具満載で、
私はリアルタイムで経験していない時代ですが、
ちょうど80年代に女子高生だった方は
すごく親近感もって読んでしまうのだろうなと思いました。

女子高生時代のエピソードに、15年後の結婚式そシーンが挟まれていて
ここを読むにつれ、犯人の目星がついていく…
と思いきや…
数々のトリックに裏切られ、最後は「あぁ〜!」という感じでした。

女子校独特の世界観、
若さゆえの悩みの中葛藤する少女の姿が丁寧に描かれており
それだけでも十分に楽しめます。

現代の女子高生にも、ぜひ読んで欲しい一冊です。
六人の“卵”たちの過去と現在 ★★★★☆

同じ女子校の文芸部に所属していた六人の女性たちが、
かつての仲間の披露宴で、ひさしぶりに一堂に会した。

披露宴のあいだ、15年前に起きた未解決の殺人事件の記憶
が呼び覚まされた彼女たちは、それぞれに思いを巡らせていく。

披露宴のあと、それぞれの考えを持ち寄り、検討した彼女たちは、
ひとつの答えにたどり着く。犯人は今日、あそこに座っていた……。



一話ごとに語り手(探偵役)が代わる三人称多視点の叙述形式であり、
過去(1980年)と現在(1995年)が、カット・バックで描かれていく本作。

二度と戻らない過去への甘美な郷愁や苦い悔恨、そして、15年という歳月が
もたらす、人間観や世界認識の変容など、本作は、青春小説としての側面が
強いのですが、それらがミステリとしての仕掛けと有機的に連動しているのが
素晴らしいです。


そして、何といっても真犯人の隠蔽の仕方が秀逸。

序盤の段階で読者を誤誘導することによって先入観を植え付け“盲点”をつくり出すだけで
なく、要所要所に伏線を張ることで、読者を納得させる、説得力ある真相を構築しています。




もうチョイ油を多めに使った卵焼きが好みでした ★★★☆☆
正確には3.5くらいの評価です。

さらっと読める学園サスペンス。女子高特有の世界観の中での登場人物のやり取りは面白いし、テンポがいいのでサクサク読めるが、読み終わった後の感覚が「はいおしまい、チャンチャン」という感じのあっさりした物でした。好き嫌いの問題なので、逆にそれが好きなら評価は5になりますが、僕にはちょっと物足りなかったです。
愛読書のひとつです ★★★★★
学園物は好きだけど、いわゆる”ジュヴィナイル”小説では飽き足らない、ミステリー・ファンだけど、謎解き以外のストーリーもしっかりないとダメ、という私のような注文の多い読者も満足させる読み応え満点の秀作。

私はこの本で若竹七海のファンになりました。今でも彼女の作品では一番のお気に入りで、何度も読み返しています。
ほんとに傑作です ★★★★★
 各章のタイトルは『スクランブル』『ボイルド』など、卵料理の方法になってるんですね。卵は生のままだと殻は壊れやすくもろいものだけれど、様々な形に変化して、将来への可能性を秘めた女子高生たちそのものだという気がします。

 私自身女子校を出ています。この物語と同じく中学校からあがってくる子と高校から入る子といましたが、ここまで両者の差はありませんでした。だけど、中高あわせて2千人もの女の子が集まった学校でしたので、男子生徒がいない中での女子だけの集団ヒステリー的な異様な雰囲気というのはよくわかります。だから、ミステリーの楽しみもあり、学園小説の楽しみもあり、で2重に楽しめました。

 各章の間に挿入される、15年後の結婚式での風景。文芸部6人が15年ぶりに勢揃いした披露宴で、各々が15年前に思いをはせ、あの頃考えていた大人の自分と今の自分をと比較する気持ちが、これまた彼女らと同年代の私にはよくわかる気がします。

 ほんとは臆病なのに強がってみたり、理想を持ちながらも現実との狭間で揺れ動いたり、社会に出て行くことに対して漠然とした不安があって、常に自分の居場所を探し続けている。そんな17歳の心情がとてもリアルに描かれています。学校内で起きた殺人についても、足らないデータで次々と推理し合う光景が微笑ましく感じます。

 そのせいか、殺人という忌まわしい事件のおどろおどろしさがなく、さわやかにさえ感じるほど。最後に犯人が分かったとき、彼女たちにはそれを糾弾しようとか、罰しようなどという気持ちはなかったでしょう。人間は単純なようで不可解、おぞましい殺人という行為も「どうしてそんなこと?」などという簡単な質問では割り切れないことぐらい、彼女たちにはわかっていたのだと思います。

 何度も読み返したくなる、すてきな小説です。同じような時を過ごした女性にも、女子校の世界を知らない男性にもおすすめです。