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仁義 [DVD]

価格: ¥1,890
カテゴリ: DVD
ブランド: IVC,Ltd.(VC)(D)
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メルヴィルの俳句世界 ★★★★★
ハリウッドの武士道或いは東洋哲学の表層的な解釈とは異なり、それらを精神的なレベルで自家薬籠中のものとしてしまったという意味において、メルヴィルは東洋の精神を正しく「曲解」した西欧人と言えるのではなかろうか。冬枯れの中で出会う男たちのこの暗黙の友情の物語は、「サムライ」、「影の軍隊」を経てメルヴィルが侘び寂びの境地に達したことを示している。寒々とした冬空の下、人気のない湿地におけるドロンとボロンテの孤独な魂の出会いと交流が、沈黙の中で雄弁に描かれる。これはこの作品の名場面の一つであり、メルヴィルならではの世界と言える。

この作品で見落としてはならないのが、原題の「赤い輪」に運命的に繋がっているのは犯罪者だけではなく、老練刑事のブールヴィルも含まれているということで、彼の孤独な生活の描写にもウエイトが置かれている点である。それ故にラストの意外な結末も納得できるのである。そしてその意外な「心的な繋がり」こそがメルヴィルの神髄とも言える。
これぞ癒しのメロディーである ★★★★★
まっとうな社会なんぞに身をゆだねてはいられない。一生あくせく働いたって高嶺の花でしかない貴金属。まばゆいばかりのブレスレット、高級時計、手の込んだ髪飾り、ネックレスにイヤリング。それらをパリの宝飾店からごっそり戴く手口が痛快だ。イブ・モンタンの射撃手もさることながら、ビルの屋上を軽快に飛び回るアラン・ドロンときては、さながら「地下室のメロディー」で天井によじ登ったシーンを想起させる。そのほかにも見所満載だ。刑務所から出たばかりのアラン・ドロンがリムジンのトランクに忍び込んだ逃亡犯をかくまいながら幾重もの検問をやりすごしてパリにむかう。仮出所なんぞどこ吹く風と、はなからギャングのボスの寝所を襲って軍資金を調達する。いかに女を奪われた仕返しとはいえ、もちろんただで済むわけはない。ボスの命を受けた殺し屋とその相棒が執拗に襲ってくる。こいつの対応が見事だ。実に身のこなしが決まっている。それにしても口髭がいい。そのアラン・ドロンだけでなく刑事やイブ・モンタンが着こなすトレンチコートもいい。パリの夜の薫りが漂ってくるようだ。しかるに、こんな先行き不透明な世相のなかで、まさに癒される一本といえるであろう。きょうのシネマはロードショーだ。
4大男優の魅力が遺憾無く発揮されたFrench Filmnoirの名作 ★★★★★
70年代のFrench Filmnoirはまどろっこい作品が多い。
展開がトロいと言うか、無駄が多いと言うか、展開がSpeedyな昨今のHollywood製(あるいは香港製)のAction映画を観慣れている人には
ツマラナク思えるのは致し方ないだろう。
この作品も宝石店襲撃に関連したEpisodeについてはDocumentary Touchで描こうとしたためか、
よく言えば丹念に、悪く言えば冗長な描き方となっている。
しかしこういったFilmnoirはその作品の持つ独特の『雰囲気』を味わうべきであって、
その『雰囲気』を醸し出すには多少冗長になってしまうのも仕方ないのではなかろうか。
そういう意味でこの作品は

1)出演者が皆寡黙で台詞が少ない。
2)よけいなBGMが殆ど無い。
3)アラン・ドロンやイブ・モンタンなどVisual的に優れた役者(ドロンの髭はカッコイイ!)が出演しているのに、女性が全く絡んでこない。

といった要素も相俟って、France製Filmnoirの代表作であると私は思う。

それにしてもイブ・モンタンは渋い。
酒に溺れ、Closetから這い出てきた蜘蛛や爬虫類に襲われる幻覚に悩まされているヨレヨレのモンタンが
場面変わって、高級Suitsを身に纏って斜に構えているSceneは本当に同一人物?と思えるほどカッコイイ。
Lastにおける死に際の台詞『俺は最期まで落ちこぼれだ』は渋すぎる。
モンタンの渋さはドロンもジャン・マリア・ヴォロンテも敵わなかった。
あと、ブールヴィルの優しい顔立ちが孤独な警視役にどうかなぁとも思ったが、中々良い味出していた。

★5個はちょっと甘めだが、★4.5個の価値はある!
いかにもフランスの匂い漂う作品 ★★★★★
久しぶりに観ましたが、アメリカ映画とは全く違った香りが漂い、フイルムノワール全開の映像は素晴らしい。ハリウッド映画しか映画と認めないどっかの非文化的エセ文化人まるだしの国とは違います。4人の男の物語をこういう風に描きだす国はフランスの文化なんでしょうね。 アランドロンがしっかりと核になり、モンタンの演技といったら、凄いもんです。今、観ても全く古さはありません。後、50年経っても変わらないでしょうね。若い人に是非とも観て頂きたい作品の1つです。
“クール”との形容は、J・P・メルヴィル作品こそ相応しい。 ★★★★★
まるでモノトーンを思わせる抑えに抑えた色調の中で描かれる宿命と義の世界。
くどくどとは申しません。“クール”と言う形容は、今もジャン・ピエール・メルヴィル作品こそ最も相応しいと個人的には思っています。
この渋み、スタイリッシュ感、光と闇のコントラストが強烈なライティング、禁欲感と緊迫感が交錯するノワール的カッティング、時折目眩む様なショットと高度な映画技法が魅力的な名手アンリ・ドカエのキャメラ、ちょっとジャック・ペランみたいな風貌のアラン・ドロンの口髭、沈着さの中に翳りを帯びたイブ・モンタンの眼差し、些細な小道具ひとつにも拘るディテール描写、そしてひりひりする感覚と登場人物たちの生きザマ。
性急で唐突な結末も含めて、正にフランス流フィルム・ノワール。これぞ、男たちの寓話。
廉価化を機にその世界観を堪能すべし。