インターネットデパート - 取扱い商品数1000万点以上の通販サイト。送料無料商品も多数あります。

オルタード・カーボン(下)

価格: ¥924
カテゴリ: 文庫
ブランド: アスペクト
Amazon.co.jpで確認
ハードボイルドは文章が命 ★★★★☆
上巻からの期待を裏切らないだろう。
上巻で本作は、本格SFであり、本格ハードボイルドだった。
下巻では更にアクション色が強くなり、クライマックスへとひた走る。

しかし、時々変な日本語が飛び出し、話に水を差してくれるのも上巻と同じだ。
訳者の田口氏は“訳者のあとがき”で最もらしい事を書いているが、気の利いた文章を考える閑があったら、原稿をもっと推敲すべきだろう。
現代の翻訳はPCも駆使して行うらしいが、PCが訳したままみたいな文章をそのまま本にするのは止めて欲しい。

内容は間違いなく☆5だが、ぽんつくな翻訳が時々出てくるのでマイナス1の4個とした。
死神はもはや過去の遺物となった ★★★★☆
 本作の、頭脳をデジタル化したことによって手に入れた不老不死というアイディアは近年のSDカードの高容量化と小型化を目の当たりにしていると妙にリアリティを感じてしまいます。そこで疑問に思ったのは、人間の本能は記憶だけが受け継がれる不老不死を望むのだろうかということです。本来人間の生存本能は遺伝子の継承が根源にあると思うのですが、本書では記憶だけがデジタル化され遺伝子はないがしろにされています。そのため肉体の相対価値が大暴落を起こしている点は本作中での人類の終末観をうかがわせます。

 本書はその世界観をベースとしたSFハードボイルドというキャッチですが、ミステリーよりの読後感を持ちました。というのも主人公のタケシ・コヴァッチのボイルド具合がいまいち中途半端なのです。序盤の段階で甘い判断から、普通ならこれで死んでしまうでしょ、という危機から都合よく逃れるのがそのあとも懲りずに軽率な行動をしすぎです。特殊部隊がこれじゃ命がいくらあっても足りんでしょ、とツッコミを入れたくなります。展開としては下巻の中盤まで少し我慢して読んでいただくとそこから一気に転がりだします。そこからはストレートな展開で見事な着地だったと思います。そのあたりが本書をSFミステリーだという所以です。

 ハードボイルドというからには主人公のキャラにもうひと捻りがほしかった点で星四つとしました。