待ちに待ったコヴァッチシリーズ
★★★★☆
タケシ・コヴァッチが活躍するSFハードボイルドアクション小説第三弾。
ある仕事をこなした後、謎の女シルヴィ(デコム・コマンド)を酒場で救ったコヴァッチ。その女を追ってヤクザがデコムのアジトにやって来る。ヤクザを撃退したコヴァッチ達だが、その背後には更に大きな陰謀が。革命を求める勢力と、それを阻止したい権力者側。敵はコヴァッチを阻止するために、若かりし頃のコヴァッチ自身をスリーブして送り込んで来た!
ヤクザ、惑星を支配するハーラン一族、殺人マシーン、デコム、元革命戦士、エンヴォイ・コーズ(外交特命部隊)が入り乱れて壮絶なバトルが展開する。
今回もかなり難解な哲学的描写もあるものの、ストーリー自体は分かり易い。アクション要素は前2作より少ないが、最後のタネ明かしには驚いた。非常に良く練られた作品となっている。かなりの長編だが、十分に鑑賞に値する。
原作の翻訳から5年もかかってやっと本作が発刊された点については、アスペクトに猛省を促したい。リチャード・モーガンの他の作品も翻訳されることを切に希望します。