文句なしにおもしろい!
★★★★★
真保裕一作品はじめて読みましたが、
実にこの本はおもしろかった!
先へ先へと読みたくなる展開が続くし、
いろいろな伏線もあるし、
現実とかけ離れた理想論ではなく、
すごくリアリティのある小説で、
あっという間に読めました。
おすすめです!
選挙の知識は増えるが
★★★☆☆
主人公の一途さなどはわかるが、ゼロから始めて最終的に当落上まで上り詰めるところは荒唐無稽な感じ。
地道な活動の重要さや戦略などは非常にリアルだが、おそらくこんなに簡単に票は集まらないと思う。
よほどの風が吹かないと(駅前開発がそうか?)、こんなにならない。
市議選と衆議院選をちょっとだけ裏方で見てた立場からの感想でした。
選挙ものの小説
★★★★★
選挙ものの小説はこれまでにいくつか読みましたが、それらのどれとも違うテイストで楽しめました。お金もコネも限られている状況でどう知恵を絞って準備、競争するか、有権者を集めたミニ集会、街頭演説、マスコミへのPR等々選挙運動をどう進めるか、とても具体的な課題が次々に浮上。主人公と立候補者、その他支援者との人間模様も面白いプロットで描かれている。「資金繰りを1円単位で情報公開する」という試みは小説ながら、なるほどそれは面白いと思わされました。気持ちと理想のみを掲げて選挙を戦う姿勢は、青臭いと言ってしまえばそれまでですが感情移入させられる部分も多々ありました。
エゲツない妨害続出!それでも楽しく読める!
★★★★★
真保さんの著書でとても楽しく読んだ後も気分爽快になれた本でした!
選挙、テレビやマスコミで実際に報道される部分は本当に終盤戦なんですね。
立候補予定者は、もうずっとずっと前から綿密な準備をしておかなくちゃ
いかん。これにお金がかかるのですが主人公達はこれを
ボランティアや仲間内で智慧を出し合い、なんとかしようと奮闘。
内容も固いキマジメな話ではなく、高校生時代の恋バナだとかもあり
とても楽しく読めます。
とにかくサイコロを振ってみよう!この言葉大好きです。
それでも俺たちは選挙に出る!
★★★★☆
政治と言う硬質なテーマ性、34歳の主人公たちの心象描写。
二本の軸に準拠した、まさしく「働く世代の青春小説」です。
特徴的なのはその膨大な選挙に関するデータ。「資金繰りを1円単位で情報公開する」という姿勢は
あくまでフェアな立場から作品作りに取り組むと言う筆者の意思表明とも取れます。
そのアティテュードは登場人物たちの政治姿勢にも一貫して現れており、
「政治家・天知達彦」の主張は徹頭徹尾フェアプレイ。若干やりすぎ感すら漂います。
あくまで清廉潔白を貫くその姿勢に共感できるか否かで作品に対する評価も大きく違ってきます。
大衆の考える「汚さ」なんぞは織り込み済みでこそ一介の政治家よ、と考えている私には
いささか青臭く感じられてしまいましたが、そうした諦観を何かしら穿つのがこの小説の目的なのかもしれません。
少なくとも自分の持つ選挙権の意味・重さというものを反芻する契機になりました。
エンターテイメントとしてはフットワークの鈍さを感じてしまうことが多々あったのですが、
「読んで良かった」と思えた小説であることは間違いありません。
政治に興味のある人以外でも、何かしらの形で
「一歩を踏み出したい」と考えている人にとって意味のある小説です。