久しぶりに痛快、明快、欣快な心理学研究法の本を読んだ。日本は世界の状況と比較して、未だ1960年代の水準にあるとの断定は、首肯できる。大学の教授と話をしても、外国の理論ばかりを並べて、それでは、このようなケースはどのように解決するのかと尋ねると、首をかしげるばかりという場面に多く出会ってきた者として、この書籍の編集方針には諸手をあげて賛同する。ただヤスパースの理解は少し解しかねるが。

これだけで、精神病理、生態学と多角的な視野から研究法が学べるが、それだけさまざまな面における基礎的な土台が必要であると思われる。