42曲の小品
★☆☆☆☆
フランス出身のピアニスト,シプリアン・カツァリスによる、シューマン作曲『子供の情景op.15』『森の情景op.82』『音楽帳op.124』の演奏が収録されている。
『トロイメライ』『森の入り口』は穏やかな雰囲気で、比較的キャッチーな曲調。
全体としては、テンポが速くなったり音の強弱の変化が激しくなったりする箇所があるため、BGMとしてはそれほど適さない。
基本的には、クラシック音楽に造詣が深いリスナー向き。
豊かになる
★★★★★
シューマン「子供の情景」ホロヴィッツの演奏が有名だが、音質が悪いのは皆の知る所。で、86年デジタル録音のカツァリスの演奏:美しい。
多くの困難な作業をしてきただけの事はあって、深い曲の解釈は、自然が奏でる数々の音風景に等しく、ときに小鳥のさえずりの様に、小川のせせらぎの様に、小風のささやきの様に、優しく 知らないうちに通り過ぎるが、時に 嵐や 小雨 濁流 曇り・・・ といった、立止ったり 沈思黙考したり、注視したりする面も しっかり 表現されている 素晴らしい 演奏だ。心身が豊かになるようだった。
欲を言えば、もう少し 重低音が響いて欲しかった。最低音部のパートが ハッキリはしているが 物足りなく思ってしまう。だからと言って、高音部がハッキリし過ぎていて 棘棘した演奏でもない。多分 そこを充足すると シューマンの意図を逸脱してしまうのかもしれないが。ルイサダ(ジャン=マルク)のような癖のある「子供の情景」も聞いてみたいなぁ。
そういう意味ではカツァリス演奏のショパン「ワルツ」とは全く違った雰囲気のCDだった。
使用ピアノと相性Good!!
★★★★★
この録音にはカツァリス特注のマーク・アレンというピアノが使われていますが、このピアノの音色がなんとも美しく音が深いく、音に伸びがあり他のピアノでは出ない音がします。このピアノで他の曲も録音していますがこのアルバムに入っている曲にマッチしていてこれらの曲のよさを引き立てています。カツァリスもいつもの隠れているメロディを浮き立たせたり、即興性も少しありますが、この演奏は心に染み込んで、一回聴いたら頭から離れなくなります!特に森の情景がすばらしい。ストーリー性をうまく表現して最後の「別れ」は泣けます…。カツァリスのこの名演、絶対おすすめです!