軽快かつ正統な演奏に酔う
★★★★★
カツァリスはどちらかというと無理に対位法を目立たそうとするなど、変わった演奏が多くて、このCDも最初はあまり期待していなかった。しかし聞いてみると、荘厳に一楽章が始まったと思えば、3楽章につれて熱く切迫していく様子は見事だった。やはりこの人の指がまわるので、自分が思っているようなバッハ像を描ききれているみたいで余裕もあり、聞いていて軽妙で楽しい。
選曲も有名なアリアが入っている第5番が入るなど、初めての方でもいいのではないだろうか。私の希望としてはぜひ全曲版を録音してもらいたかったというのが正直な感想である。