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ローマ人の物語 (15) ローマ世界の終焉

価格: ¥3,150
カテゴリ: 単行本
ブランド: 新潮社
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感謝 ★★★★★
塩野七生と司馬遼太郎を産んだ日本に生まれて本当に良かった。
でも、この2人を越えるような政治、組織、戦略、人間を語れる思想家がいない日本は恥ずかしい。
日本人にとっての貴重な財産 ★★★★★
ついに、この大シリーズを読み終えた。「迷走する帝国」まで文庫版で読んだところでどうしようか迷ったが、毎年一巻分のペースで文庫化されるのを待っていては間が空いてしまうので、最後の3巻は単行本で読みあげた。文庫本は便利だが、単行本には物としてのよさがある。随所に挿入されている写真、絵、地図などが、見栄えがしてよい。もう一度読むことがあれば、単行本で全部そろえようかな。

シリーズ全体の感想だが、世界史オンチの私でも楽しく読め、そして大変勉強になった。ローマ帝国を高く評価する塩野氏の文章だけに、帝国が作られていく前半はわくわくする面白さであった。後半も充分に興味深くは読めたが、ローマン・スピリットが失われ、帝国が衰退していく様というのはどうしても残念な感じになる。
単行本で15巻というと膨大のようだが、それでもローマ帝国の歴史を叙述するには充分ではないのかも知れない。この最後の巻などは、駆け足のうちに終了したという印象であった。

実際的かつ論理的なシステムを作り上げたローマ人と、その帝国を圧倒的な力で滅ぼした「蛮族」たち。現在の欧米人が、その両方の血と伝統を受け継いでいるとしたら、そりゃー強いわけだわな。幕末から開国以降に初めて本格的に欧米と対峙した我が日本も、そのような野蛮で論理的なパワーを持った国々を相手によくがんばったものだ。塩野氏の著作がベスト・セラーになって、多くの日本人がヨーロッパの歴史を学ぶようになれば、それは将来にとって大きなプラスになるに違いない。
ローマ帝国の終焉ではない ★★★★★
 いよいよローマ人の物語も最終章である。ローマ世界の終焉である。ローマ帝国の終焉ではない。かつてのローマ人がいなくなり、無慈悲な中世に入っていくということだろう。

 前巻に続いて問題は侵入して来るゲルマン民族である。奮闘する将軍はいたが、神意に基づいてその職についた皇帝は全く支援をしない。司祭(法王)によって戴冠された皇帝はほとんどが暗愚で、宦官と司祭の言いなり。暗愚だからこそ皇帝に選ばれる世の中になったのだ。

 元老院も自分の農園を守るために自警団を組織するだけで、ローマ軍には兵を提供しない。将軍はゲルマン人を傭兵として雇って蛮族の略奪を止めるのが精一杯になってしまう。やがて力尽きた西ローマはゴート族の支配を受け入れ、終焉を迎える。

 現在の欧州人はこの時のゲルマン民族の子孫だが、やはり世界島の内部から押し寄せる勢力(ロシア)に脅かされる状況は変わらない。中東問題やイスラム世界との軋轢もローマ時代から始まっている。政体は変われど、ローマ人の理解は現代世界の理解にも必須なのだとつくづく感じた長い旅だった。
こうして世界が終わるのだ ★★★★★
そーなんです。『ローマ世界の終焉』読了は『ローマ人の物語』の読了なのです。寂しいものがあります。この際、ルネサンスまで続いて、イタリア中世を書いてください。お願いします。

とうとう、ローマ帝国滅亡。読んで分かったことは、ローマ帝国滅亡という事件は何もなかったと言うこと。そもそも、東西ローマ帝国分裂だって、むりやりこじつけた面もあるし、西ローマ帝国が滅亡したということの意味は、すごい形式論だし、その後も、東ローマ帝国はイタリアに領土を主張し続けたようだし。読んでいて、エリオットの "The Hollow Men" の一節を思い出した。(実はこの一節しか知らない)。

This is the way the world ends  こうして世界が終わるのだ。
Not with a bang, but a whimper  ボカンではなく、めそめそと

そう、ローマ帝国はローマとどんどん関係なくなり、その過程でローマも皇帝も力を失って行って、ついには雲散霧消してしまう。いやあ、歴史で習ったイメージとの違いは驚くばかりだ。

『ローマ人の物語』を読んで、ローマ帝国をローマ帝国と素朴に呼べなくなってしまった。独裁者は共和制時代から出ていたし、帝政になったとされるアウグストゥス以降も、形式上は共和制の制度が受け継がれている。そして、五賢帝以降は、皇帝がローマにいることはほとんどなくなる。確かに「ローマ+帝国」だと言える時期はあったのだろうか。

ローマは不在の皇帝に軍事力を依存し続けた結果、自ら防衛をまったく出来ない都市となり、ゲルマン民族と東ローマ帝国軍の戦争で衰亡する。最終的に息の根を止めたのが、東ローマ帝国の中途半端な軍事介入だったというのも教訓的だ。あまりに直接的に解釈してはいけないとは思うが、バルカン紛争やイラク紛争との対照を考えてしまう。

『ローマ人の物語』全体を通じて、政治的な興隆や衰退だけでなく、文化や技術の興隆や衰退も極めて興味深かった。塩野さんありがとう。
作者の萌えが尽きたとき世界は終わる ★★★★★
キリスト教の一番の問題点は社会ではなく神に奉仕するところにあると思う
宦官も自分たちの権益に奉仕するけど社会には奉仕しない
作者が萌えた人物が少なかったように思えるけど
まさに社会が衰退するって言うのはそういうことだな
あとユスティニアヌス帝もだめぽ
尼損の書評ではキリスト教への嫌悪が批判されているけど
塩婆、というか日本人が書くのはそこに意義があると思う