ちょっと村上さんに興味を持ち直したのが「五分後の世界」と続編の「ヒュウガウィルス」。
綺麗な、そして想像力を小気味良く刺激してくれる文章・文体に「おぅ」と思いました。
そして今回の「料理小説集」。なかなかよいです。
ページ数にして1ストーリー2,3ページ。
通勤時にポケットに忍ばせ、寸断される事無く一つ一つ読みきれる。
短編の美徳である「全てを語らず」且つ「不思議さの余韻を残して」が、
各編「適量」にまぶされている。
内容の方は、
サラリーマン生活を無難に楽しく送っている自分にとって、
ハルカ彼方10光年の世界だが、それでも「そんなこと、あるかもしれないね」と、
自分の人生に別の側面があるかもしれないことを予感させてくれる。
良い本です。何の負担にもならないので読んでみてください。
一生に一度ぐらいはあるかもしれない、あるシチューエーションでたま
たま会った女性とたまたま数日を過ごした時間、その場所に酔ってし
まった自分と相手・・・。
それは東京じゃ起こらない気がするのは気のせいか。
そういう意味でシチュエーション小説と言ってもいいかな。
食べることが好きな人にはとりあえず絡んでくるおいしいもので
刺激を受けることは間違いないでしょう。