一方で第3番は15分以上ある長い一つの楽章からなる作品で、即興性に富んでいる。
このアルバムにはピアノの入らない2作品が合わせて収録されている。
録音時期もピアノソロ作品が91年録音であるが、他の2作品は2001年の録音となっている。
独奏チェロのための作品は、カプースチンの作品をよく知っているザゴリンスキーのチェロである。
ザゴリンスキーはカプースチンとは親友で、多くのチェロを含む作品は彼のためのものだ。
さて、この独奏チェロのための作品は、ピアノ世界とはまた趣きを異にした世界で、なんともクラシックな味わいが出ており、
この作曲者の多様性を垣間見る事ができる。
最後にチェロとアルト・サックスのためという風変わりな編成の作品が収録されている。
この2つの楽器の音色をいかに操るかという面白い注目点があるが、やや軽めのサックスの音色で、
対旋律風にしてみたり、チェロをピッチカートでベースのように響かせたり、なかなか面白く聴けた。