豪華絢爛!プレ近代としての江戸
★★★★★
いまや江戸時代を単なる遅れた闇黒社会などと一面的な理解をすることは、少なくとも学術的レベルでは少ないと思われるが、独自の論理をもつ江戸システムの解明・理解にはなお課題が少なくない。
本書は江戸システムを一つのコスモス(小宇宙)とみなし、その文化・経済・ネットワークの体系を明らかにしていく。日本独自の発展を見せながらも、長崎を通じて西洋の文物をたくましく摂取し、また西洋とも一定の平行性が見出される。間違いなく文化・文明の爛熟期であり、その後の近代を準備したものであることを詳細に論証する一冊となっている。