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明治人の力量 日本の歴史21 (講談社学術文庫)

価格: ¥1,260
カテゴリ: 文庫
ブランド: 講談社
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「大明治」―明治人の力量 ★★★★★
殆ど全て一次資料に拠って書かれた、骨太の明治期政治外交史。文化史等の記述は乏しいものの、経済史と絡めて出来る限り社会の変化にも鋭く目配りを利かせている。他に帝国憲法の制定過程や問題点についての記述は勉強になった。 さて、最近の歴史学では「明治」という時代を悪しき帝国主義の時代として、歴史の結果から眺めるのが流行りの様だが、本書で描かれる「明治」は、内側から「不覊独立」を追求する過程で「明治人の力量」が歴史を形成していくダイナミックな代物である。 「結果」の堆積として歴史を読むのと、「選択」の臨場感と、どちらが読んで面白いだろうか。 歴史書を読む醍醐味が味わえる、お薦めの一冊。
良質な政治史の通史。 ★★★★★
本書は2002年に出版された同名書の文庫版である。

扱っている時代は憲法発布頃から明治の終わりまで。著者は明治のキーワードを「不羈独立」とする。さまざまな人々が「不羈独立」を目指して努力した、その軌跡を描こうとしている。

本書は主として政治史に主眼を置いた通史である。政治に関しては丹念に描いており、とても面白い。怒りの度合を東京からの距離で表現する井上馨や、伊藤博文と伊東巳代治の愛憎取り混ぜた師弟関係など、政治家の個性や関係性も、とてもおもしろかった。
現代ではあまり使わない漢字や、漢文調の読み方(不可避「さくべからざる」など)人名、地名や歴史用語にはにルビがふってあり、知識がなくても楽しめるつくりとなっている。ルビの多さは一般書の中でも多いほうだと思う。

政治史の第一人者が書いたすばらしい本ではあるが、政治史以外の分野の記述に乏しい。本書は明治における経済構造の変化や民衆が描けていないと思う。二つの大きな対外戦争である日清・日露戦争に関しても、「不羈独立」を目指す中での動きで捉えられており、肯定的に評価しているように思う。日清・日露戦争に関しては、その負の部分も描くべきである。

だが、一冊の本ですべてを網羅するのは無理であり、明治政治史の通史として高く評価できる本である。