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チベットの「死の修行」 (角川選書)

価格: ¥1,680
カテゴリ: 単行本
ブランド: 角川書店
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釈尊の掌から一歩も出ていないと思うのですが・・・ ★★★★☆
釈尊が教えた瞑想には二種類あります。若い頃に学び、無色界の瞑想システムに組み込んだ「無所有処定」や「非想非非想処定」に代表されるサマタ瞑想です。サマタ瞑想(「止」の瞑想)に対する釈尊の評価は、“禅定に入っている間は心の平安が得られても、禅定をやめると苦悩が蘇るので、悩みを根本的に解決する道ではない”というものです。禅定で二元論の境地を離れても、禅定を止めると二元論の世界に戻ることに気づいた訳です。サマタ瞑想は『煩悩一時停止瞑想』なのです。それならばということで、ゾクチェンに導入されたサマタ瞑想には禅定に入ったまま出てこないという瞑想修行もありますが。
その後、釈尊はサマタ瞑想の欠点を克服するヴィパッサナー瞑想(「観」の瞑想)を独創しました。これは、二元論を認識してしまう本能的な思考(潜在意識)を停止する瞑想なのです。つまり、常に潜在意識にサティ(気づき)を入れることで日常生活のまま二元論を離れた「ありのままの状態」を実現するのです。その究極が釈尊の言う智慧であり、涅槃なのです。煩悩の発生機構に気づけば機構を停止でき、煩悩の発生がなくなるので、ヴィパッサナー瞑想は『煩悩消滅瞑想』と言えるのです。ゾクチェンも「あるがままで完全な境地の中にとどまること」を悟りの境地と表現しますが、釈尊の教法そのものではなく、小乗や大乗の顕教や密教やゾクチェンの教法が混入して分かりにくくなっているようです。

それでは、『吉祥秘密集会成就法清浄喩伽次第』などで示される瞑想はどのように説明できるでしょうか?タントラ(密教)は煩悩を菩提に変容させ、ゾクチェンは煩悩即菩提の自己解脱で悟ると述べます。つまり『煩悩肯定瞑想』なのです。しかし、これは詭弁としか思えません。そこには、“潜在意識を顕在意識に変容させることで自己解脱する”という釈尊の正しい教法が失われたように思われるからです。