この巻の冒頭より中学生編に突入し、いよいよ各キャラ思春期まっ盛りです。

が、小学校卒業前の二鳥くん→よしの、さおり→二鳥くんへの告白が
「いずれも一方通行」に終わったことから関係がギクシャクしたまま卒業してしまった面々。
特に「よしの」と「さおり」は「お互いに相手を大嫌いと言い合う」などして険悪な関係。

苦労するのは間に挟まれた佐々ちゃん。せっかく全員が同じクラスになったのに・・・。
あからさまにお互いを無視し合おうとする２人に対して・・ついにキレちゃいました・・。

別の小学校から入学して二鳥くんたちと同じクラスになったのが「ちーちゃん」こと、更科千鶴さん。
入学式にいきなり男子の制服着てきて、周囲の注目の的となる「自由人」。
「台風の目」となる予感バリバリで、やっぱり波乱の幕開けです！

佐々かなこによる、５巻の解説〜！
中学生になりましたー！
あたしたちは、辛いこともたくさんあるけれど、やっぱり楽しいこともたくさんあるよ。
でも、いまは、辛いことのほうが多いかも。。
あたしたちのグループに、同じクラスの更科さんと白井さんが、いつのまにか溶け込んでいました。あたしは全然嬉しいけれど、少し不安な不穏な空気も……。でも、あげていたらｷﾘがないかも。さおりんはあいかわらずだし……。
あわわわ、頭かゆくなってきた。
五年生のときにやった、演劇、またやるみたいだよ。二鳥くんと有賀くんはどうなるんだろう。
今回の絵表紙はステキだよね。二鳥くん、「まあっ」なんて声あげてるよ。きっと。
あ、あと、イシデ電さんは、しっかりビックリマンチョコのシールは抜いてたね。
それでは、佐々かなこでしたー！

女の子になりたい男の子、
男の子になりたい女の子、
自分を偽ることのない女の子、
友人関係に悩む女の子、
自分に嘘をつかない男の子、
そしてお次は自由を貫く女の子。

多感な思春期の少年少女が織り成す中学校生活模様、
理想と現実の狭間で揺れ動く少年少女達を丁寧に描いた作品。
あなたが「ふつう」だと思っていることは
もしかしたら「ふつう」じゃないかもしれないよ？

ぐぁあああああああああああああああああああああああああああ
と叫んで取り乱すぐらいホント可愛いです高槻さん。
女になりたくないと思いつつも、恥じらいや困った表情はどうしようもなく女の子で可愛すぎます。
今巻で高槻さんがひとつ抜けた感じがします。自分の中で。
とにかく高槻さんが可愛い。犯罪クラスです。勘弁してください。

自分の「性」に悩む少年と少女のお話です。
クラスメートたちも個性的で、読んでるといつのまにか我が身を振り返ってます。

可愛らしくデフォルメされた繊細なタッチの絵柄ですが、
登場人物の心の動きがとてもリアルで読んでてチクリとすることも。

学生の頃の友だちとの仲違いや、ケンカ。
子どもの頃の飾れない態度や、ギスギスした気持ちや、もてあましてた恋心。
成長についての戸惑いや不安。
大きくなって見ると、なんで悩んでたのかなーこうしてれば…って思っても、
この頃はこれで精一杯なんだよなあって。

そういうところもきっちり描かれてて、甘いだけじゃない素敵でビターな作品です。

幕開けした中学生編、これからどうなるのどうするのって、なんだか見守ってる気持ちです。