昔聴いたなぁ
★★★★★
遥か昔の大学生の頃、よく聴きました。
「惑星」や「誘惑について」「聖三角形」「これは恋ではない」なんかは本当に好きでした。
今聴くと…う〜ん歌詞がイマイチついていけないんですが…^^;
男性のロマンティシズム目線ですからね…
好きです。田島さんを知るきっかけになったアルバム。「誘惑について」のボーカルが好き。
田島さんのボーカルはこの時も素晴らしいんですが、フツーに綺麗に歌いすぎかな。
「夜をぶっとばせ」や「レッツゴー」みたいにもっともっとクセを出せなかったのが残念ですね。
このアルバムのピチカートには田島さんは必要だったけれど、田島さんは自分を出すのにピチカートではダメだったんだろうなぁ。
とにかく内容の濃いアルバム。統一感もあって完成度が素晴らしい。
今聴いても、古臭くないです。
野宮lead.vo.だけじゃない
★★★★★
ピチカートの歴史上、野宮vo.が唯一のピチカート・ファイブのリード・ボーカリストであり、「他のボーカリストはピチカートには存在すらしていないと認識されがち」な人気欧米シーンにも佐々木・田島、両ボーカリストの存在と参加アルバムをもっと明確化させる必要があるかといつも想いながら聴いています。
耳にもいい意味でシンプル、喉が渇いたから思わずソーダ水を買って飲んだらすっきりした。そんなこざっぱりとしたソウル色豊かな一枚。
おきてしまった奇蹟、残酷な軌跡。
★★★★★
私の中では田島>佐々木>>>>>野宮。瑞々しくも退廃的で甘美な奇蹟のような傑作。この後のピチカートファイブのたどっていく軌跡は下降線。
風化を知らないソウルの傑作
★★★★★
88年発表ながらこの小西・高浪・田島3氏の新感覚で洗練されたフィラデルフィア・ソウルは今も普遍的な甘美さがあると実感します。例えば極めて緩やかなスピードで孤を描いてゆくレガートの心地よさや、漂うような綺麗なサウンドは非常に優れていますし、何より田島氏の清潔感ある歌声は音と言葉に透明感を与え、日本語歌詞のソウルが品を保っています。エロスでさえ。その結果この音楽が動き出すとスイートソウルの儚い輝きがとても美しく鳴り始めるんです。
しかし当時は汗知らずスーパー・スイート・ソウルというキャッチコピーに代表されるこのアーバンテイストがミュージックマガジンや山下達郎から批判され、中身が無い等と評されていたようです(田島氏と達郎氏はその後仲良くなるようですが)。ソウルを愛するゆえの辛口でしょうが、ソウル音楽の原理主義に捉われたやっかみもあったのではないでしょうか。
でも今作は仏像を作ってしっかりその土地の魂が入れられていると思いますよ。ソウル音楽が東京という近未来都市に上陸し展開される上で、相応しいスマートで若く知的な感性が詞にもドライなサウンドにも描かれているからです。9「これは恋ではない」のシニカルな世界なんて当に。
また田島氏の空気に溶け込んでゆく無垢でしかし深遠な歌声は日本人の繊細な心によく映えます。これはスイートソウルに大切な甘美さという点から言えば、R&Bのハートを理解している達郎氏よりも先天的なドルチェを備えた声だったのではないかと思います。田島氏は努力した声だと言っていますが。また4「ワールド・スタンダード」など田島氏の助詞を引いて余韻を醸す歌い方は素晴らしく上手いですね。ここでの経験が歌い手としての自覚を高めたそうです。ちなみに5「カップルズ」は高浪氏のVo.。
作詞小西康陽・作曲田島貴男による冒頭3曲「惑星」「誘惑について」「聖三角形」の心地よさは極上ですよ。
2人の才能の萌芽
★★★★★
オリジナルラブではソウル魂の入った男っぽいヴォーカルを聴かせる
田島氏が、線の細い声で歌う。
今では、本格を選んだ田島氏とフェイクを追求する小西氏の若き日の接点。
薄い表面に潜む2人の才能の萌芽。