割といいですよ
★★★★☆
"99.9F°"はSuzanne Vegaが1992年9月に発表した4枚目のオリジナル・アルバムです。初めてプロデュースをMitchell Froom(その後一時期婚姻関係にあった)が担当し、またTchad BlakeやRichard Thompsonなんかも参加しています。
この作品は冒頭の一曲目の硬いドラムによる導入部で驚かされます。1-3作目の作風から予期できないこの変貌はMitchell Froomの入れ知恵による部分が大きかったでしょう。アルバム全体がロックにシフトし、いわゆるインダストリアル風のサウンドになっており、初期からのファンの強い拒否反応を引き起こしました。以前の作風から最も遠い"Blood Makes Noise"がシングル・カットされBillboard Modern Rock TracksのチャートでNo.1になるなど、一応の成功を収めました。
ただ、こうした曲よりも、アルバムの中で比較的以前の曲調に近いアレンジがなされた5,9,12曲目などの方がやっぱり良かったように思います。