挿絵の一之瀬さんが好きで購入しましたが、可愛いかったです。
受けの夏海はとにかく男らしい。関西弁だから余計にそう感じると思います。
攻めの創吾が兎に角可愛い･･･可愛いくて仕方が無かったです。
読み終えると自分も関西弁がうつってる様で「あかん」とか言ってました。

見た目は可愛いが中身が男前な夏海。その夏海をほんの子供の頃からずっと大切に思い、高校生になっても世話を焼き甘やかそうとする創吾。
受けの夏海が、あえて『甘やかされてあげる』と開き直るところ、実は攻めの創吾の方が精神的に依存しているところ、が、お話として面白かったです。
ただ、幼なじみである夏海に対しての創吾の一途な気持ちがどこからくるのか?単に容姿が可愛いから、庇護欲から、だけでは説得力に欠けます。
志望校も夏海に合わせ、献身的なまでに世話を焼き、夏海以外のヒトには興味もない。明るいタッチで描かれているけど、言い換えればかなり歪んだ部分があると思います、創吾。その辺の彼の『負の部分』にもう少し言及し、夏海にどっぷり惚れ込む具体的エピソードが一つあればな……。
もっともっと奥行きのある話になったのではないかな、と少しもったいない。

かなり辛めで☆3コですが、これは限りなく期待を込めての3コです!

夏海が創吾に対して感じる気持ちが恋心ゆえの苛立ちだと気がつくまでがしっかり書かれています。また、創吾の一途っぷりも読んでいて気持ちいいほどです。イラストレーターの一之瀬さんの絵も綺麗で夏海は小柄な可愛い子に描かれています。全体的に甘めのお話ですが、いやな甘さではありませんでした。関西弁を話している事も世界観に浸れる事につながっていると思います。買って良かったと思えた本です。