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最前線の医師魂―空母から復員船へ 若き軍医の手記 (光人社NF文庫)

価格: ¥600
カテゴリ: 文庫
ブランド: 光人社
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貴重な戦時下での医療体験記です ★★★★★
本書の構成は3部からなっています。一つ目は大型商船改装空母である「隼鷹」に医務官として乗船し、マリアナ沖海戦に参加。二つ目は内地の海軍設営隊軍医長。三つ目は終戦直後に復員船の医務長として海外からの引き揚げ船で診療に従事。

どれも貴重な体験で、当時の日本を覆っていた物資の窮乏や困窮の実態を一人の医師の目線から読みやすく書き記されています。筆者は内科医ですが、復員船の中で虫垂炎の手術を余儀なくされたり、隼鷹が被弾・大破した際の熱傷の手当、はたまた日本刀による切創により半ばもげかかった腕を解剖書をみながら縫合したりと、悪戦苦闘ぶりに頭が下がる思いです。

本書が軍医という比較的軍隊内では恵まれた立場の人間から書き記されたものであることを差し引いても、筆者のメッセージは今なお新鮮であり、若い医師や、これから医師を目指そうとする若者には是非お勧めの一冊です。
若い医師、または医師を志す人に一読を!! ★★★★★
流石戦時という事もあり、現在の医療機関の様に「専門外だから診ないよ。」なんて事はなく、医学書片手になんでもこなして居たのは尊敬に値します。 また闇雲に処置に当たるのではなく、まずは「助かりそうな者から手当てをする。」という方針も、現在の緊急医療に通じるものがあるのではと、思いました。 一方、患者の家族になった場合も腹をくくる覚悟が必要と言うのも判ると思います。 とにかく読んで見てください。