難解
★★★☆☆
正直半分も理解出来なかった。しかし、肺炎詩篇と手帳より、11月3日(雨ニモマケズ)はストレートなだけに、ぐさっときた。特に雨ニモマケズは有名な文章だが、一読の価値あり。
難解なのは感じではなく、文章の意味であるが。旧仮名遣いは読みづらいし、読めない漢字も多いけど、慣れれば多少は読める。
岩手県民必読!
「生徒諸君に寄せる」の原文を毛利衛さんが再構成したものと読み比べる
★★★★★
以下は96年教育テレビETV8での宮澤賢治特集で紹介されたもので、「宇宙授業」で毛利衛さんが朗読するつもりだったという、再構成された詩です。原文とは異なりますが、毛利さんの思いが画面から伝わってきて、この詩をぜひ原文で読んでみたいと思って購入しました。
■「生徒諸君に寄せる」(宮澤賢治『春と修羅 四』)p. 267 再構成by毛利衛さん
新しい時代のコペルニクスよ
余りに重苦しい重力の法則から
この銀河系統を解き放て
新たな時代のマルクスよ
これらの盲目な衝動から動く世界を
素晴しく美しい構成に変へよ
新しい時代のダーウィンよ
更に東洋風静観のチャレンジャーに載って
銀河系空間の外にも至り
透明に深く正しい地史と
増訂された生物学をわれらに示せ
新たな詩人よ
雲から光から嵐から
透明なエネルギーを得て
人と地球によるべき形を暗示せよ
辞書はいらない
★★★★☆
他のレビューで書かれている、「本書の文」と「意味」が同じに見えるのは、気のせいでしょうか。
改版され活字も大きく読みやすいです。
ひらがなが多いという印象なので、普通に読めると思います。
文学の森を行くために・・・
★★★★★
値段が変わったので、2007年4月に改版したものでしょうか。
改版後も旧字・旧かなはそのままです。そういう意味では、この本は初心者向けではありません。ただし、文学の森へより深く踏み込むためには、いつまでも「旧字・旧かなは分からん」では話になりません。
詩の本質
★★★★★
晩年のヘルマン・ヘッセは、孔子や孟子のドイツ語に訳された本を読んで、ボソッとこう言った。「彼らの本を原文で読めれば、もっと良いのだが。」と。
これは全ての詩や箴言に通ずる考えである。特に詩の場合、そのテンポやリズムが重要になる。そのため、いくら昔の仮名遣いで読みにくいと言っても詩を現代文にすべきではない。もし詩の本質を忘れ、単に音階の伴わない言葉の羅列を読みたければ、宮沢賢治詩集の現代版の発刊を待てばいい。そして生気の失われた詩を感じながら、悦にはいる人間たち。それは芸術を知らない美術評論家になぞらえる。
最後に述べておくが、詩の意味や書き方も知らない人間が勝手に宮沢賢治のような天才を批判すべきではない。この本をとって、たとえ所々読めない場所があっても、情緒あふれる印象を感じられないものは、よほど鈍感なのであろう。それに詩は部分から成り立っているのではない。詩は現実を描写し、それを文章に還元したものである。それらを忠実に実行した宮沢賢治の詩は、実にすばらしいものである。
もし宮沢賢治の慧眼に驚かないものに、この本を読む資格は無い。