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童話集 銀河鉄道の夜 他十四篇 (岩波文庫)

価格: ¥798
カテゴリ: 文庫
ブランド: 岩波書店
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詩人の魂 ★★★★★
 銀河鉄道の夜について書きたい。

 本作は短編なのだろうが 賢治の作品群の中では十分長編である。賢治の本質的な資質は詩人であると僕は考えており 長編大河小説を書く賢治は想像出来ない。だから 本書は賢治にしては長編である。
 何故 賢治は この「長さ」を要したのかと考えるだけで一大テーマとなりえる予感がする。

 銀河鉄道との「旅」を表現するには ある程度以上の時間が必要であり それを表現する為にも 長さが必要だったのではないか。そんな風に思っているが いずれにせよ まだ自分でも考え抜いた結論ではない。
 但し そんな長編の随所に煌めく 賢治の「詩」が本書に比類の無い美しさを与えている。これは間違いない。
 
 「銀河鉄道の夜」は 内容において感動的であるが しかし考えてみると何でカンパネルラが死ななくてはならなかったのかを含め よく分からない。僕としては 賢治を動かして本作を書かせたのは そんな「人間としてのあり方」というような頭でっかちなものではないという気がしてならない。
 賢治が書きたいと思ったのは 「銀河を鉄道で死に向かい 旅をする」という鮮烈なイメージではなかったか。それで 同行者であるカムパネルラは死ななくてはならなかったのではないか。そんな風に思える。

 賢治が描きたかった鮮烈なイメージは 確かに 賢治の比類の無い「詩人としての資質」を経由して本作に結実している。それが何より美しい。

 そんな風に 僕は感じている。
編集が古すぎ!! ★☆☆☆☆
賢治の草稿は校本全集や新校本全集でできうるかぎり忠実にたどられているというのに、遙か昔の編集にたよった文庫を出し続けているのは理解に苦しむ。
岩波文庫のためにも、いち早く絶版もしくは改版して欲しいと思う。
優しいセロのような声の持ち主、ブルカニロ博士とジョバンニの会話 ★★★★★
『銀河鉄道の夜』は複数の出版社から出ていますが、ここには初期形あって
後に賢治自らの手によって削除された、ブルカロニ博士とジョバンニの会話
が収められています。

物語の後半、友人カムパネルラを失ったジョバンニに博士は優しい声で、
宇宙と人類の歴史、知識と知恵、幸福などについて説いてゆきます。
その深遠さ。

「さあ、切符をしっかり持っておいで。おまえはもう夢の鉄道の中でなし
に、ほんとうの世界の火やはげしい波の中を大股にまっすぐに歩いて行か
なければいけない。天の川のなかでたった一つのほんとうのその切符を決
しておまえはなくしてはいけない。」

と、ジョバンニの背中を押す博士の姿は、現実世界では子供同士のいじめ
のターゲットにされ、極貧の中、病弱の母を庇いながらひたすら父の帰り
を待ち続けるジョバンニにとって、本来いるべき父の代わりとなりジョバ
ンニを愛する第二の父のようであり、天の愛ある父、神のようでもありま
す。

『銀河鉄道の夜』を読まれるなら、是非二人の会話を読んでみてください。
作品がいっそう深まります。普遍的な何かに触れているように思えます。
賢治をお好きな方なら、熱心な法華経信者であった賢治が何故この箇所を
削除したのか、謎に迫ってみるのもいいかも知れません。

童話としては難解すぎる ★★★☆☆
宮沢賢治は、実を言うと、童話より詩のほうが好きです。
童話のほうは、「銀河鉄道の夜」をのぞいて、
難解かつ意味不明で、童話としての魅力に欠けます。
でも、「銀河鉄道の夜」は最高です。
これを読むだけでも買う価値があります。