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トリスタン・イズー物語 (岩波文庫)

価格: ¥819
カテゴリ: 文庫
ブランド: 岩波書店
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不倫は文化、か ★★★★☆
『トリスタン・イズー物語』です。
『愛の秘薬を誤って飲みかわしてしまった王妃イズーと王の甥トリスタン。この時から2人は死に至るまでやむことのない永遠の愛に結びつけられる。ヨーロッパ中世最大のこの恋物語は、世の掟も理非分別も超越して愛しあう“情熱恋愛の神話”として人々の心に深くやきつき、西欧人の恋愛観の形成に大きく影響を与えた。』

「媚薬」が出てくる話の元祖というべきか、最も有名な話であることは間違いないでしょう。
アーサー王の話にしてもグウィネヴィア王妃とラーンスロット卿の不倫が主要要素となっています。つまり当時は自由恋愛などできず、政略結婚で望まぬ相手と結婚せざるを得なかった。で、結婚後に本当に愛すべき運命の人に出会っちゃった、というのが不倫がもてはやされた理由だと聞きました。
中世という時代の抑圧に対する反抗、の一つの形ということになるでしょう。
本作品ではその課程のキーポイント、というよりぶっちゃければ「言い訳」であるのが「媚薬」となります。
媚薬は恐ろしいですねー。当時であったって、やはり道徳的には不倫は良くないことであるのは間違いないのですが、それをも超越して深く激しく愛し合っちゃうわけですし。
『ローランの歌』や『ニーベルンゲンの歌』のような英雄叙事詩ではなく、恋愛譚なので、戦闘シーンの激しさみたいな要素はありませんが、恋愛は恋愛で命がけ、別な激しさはあったと思います。

こういった不倫物語自体が、抑圧された人間をとろかす魅惑の媚薬なのかもしれません。
★4。
正義は、強さと美しさにあり ★★★★★
西洋小説を読むならば押さえておかねば、ぐらいの教養的なスタンスで読み始めたのに、だんだん物語に引き込まれてしまった。

(恋愛)文学は不倫からはじまった、と聞いたことがある。それがこの本を評してのことかどうか忘れたけど、トリスタンとイズーの関係は、いかにも象徴的だ。

西洋人の愛が(というほどよく知らないけれど)、日本人が感じるような穏やかなものではなく、破滅、そして死をも内包しているものだということがよく分かる。だからこそ、あれほど燃え上がる。

そして知らず知らずのうちに儒教道徳に則って思考する日本人にとって、トリスタンとイズーの関係は、あきらかに(王への)忠義にもとる行為であり、そこに愛こそあれ、正義などはありはしない。だから二人の不倫関係を王に忠告する四人の家臣を、本書では悪人として描いているけど、なにが悪いんだかわかりゃしない。東洋だったら、この四人は口に苦い諫言を呈する忠臣だわな。

つまりは、正義は、強さと美しさにあるのだ。トリスタンは強い。イズーは美しい。だから正義なのだ。ヒーローは強い、ヒロインは美しい、だから正義なのだ。目から鱗ですね。

この作品の社会的意味 ★★★★☆
 この作品を騎士道とか単なる恋愛悲劇だけで見ると、本来の中世吟詠詩として庶民に伝播され、広く愛された背景を見失ってしまうのではないでしょうか?キリスト絶対主義のもとで庶民が受け入れたものは、①お妃と臣下との不倫行為=キリスト教では絶対に認められない ②その逃げ道として利用したのが媚薬(フィルトル)=不倫に対する免罪符として ③二人の墓に絡まって再生したかのようなトリスタンとイズーの復活=復活はキリストのみ 
 というようなことが、中世ヨーロッパで広く愛され、支持された背景なのでしょう。いつの時代でも権威への反発はこんな形で静かに流布するのかもしれません。
「永遠の愛」の原点-必読の古典 ★★★★★
ワーグナーのオペラで有名な「トリスタンとイゾルデ」。もともとはケルト伝承で、べディエというフランスの研究者が、様々な異本を比較検討して纏めたのがこの訳の底本ということだ。しかしこれは現代人が読んでも十分面白い。佐藤輝夫の訳はなかなかの名訳で、読みやすいし、格調も高い。名作と呼ばれる後世の作品の中にも、影響を見ることが出来るし、西洋的「対幻想」の原型として、一度は読んでおくべきだと思う。娯楽教養小説としてもいけるし、「指輪物語」風に映像化することも十分可能だろう。死を齎し、死後も絶えて消えることのない西洋的「永遠の愛」の原点である。
二人のイズー ★★★★☆
 この物語からは、剣や弓が空を切る、大きな音がした。
 と同時に、微かな衣擦れの音も、確かに聴こえた。

 この物語には、二人のイズーが出てくる。
 黄金の髪のイズー。
 白い手のイズー。
 トリスタンは、この、二人の美しいイズーに愛される。

 一人のイズーは、トリスタンと共に媚薬を飲む。.
 もう一人のイズーは、トリスタンの妻になる。

 トリスタンの運命は、二人のイズーが握っている。
 そして、一人のイズーの運命は、もう一人のイズーが握っているのだ。
 
 あなたは、どちらのイズーが好きだろう?