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ファウスト〈第一部〉 (岩波文庫)

価格: ¥903
カテゴリ: 文庫
ブランド: 岩波書店
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ゲーテの美しい経験のすべてが投影されていると思う ★★★★★
天才ゲーテの代表作。
20代の頃から構想を始め、できあがったのが80歳というライフワーク的作品。
全体は2部構成だが、この1部だけでも出来上がったのは50代だったそう。

世の中の真理を知ろうとあらゆる学問を極めたが、結局真理を知るには至らず、絶望したファウスト博士が悪魔に身を売る話。

全編を通して、話の内容が分かりずらい部分が多い作品だけれど、
1部は恋愛の話で終わるので、誰が読んでもそれなりに分かりやすい内容だと思う。
ゲーテの作品は何でもそうだけど、取り扱う題材が素晴らしく、この作品も自分とオーバーラップするところが多くて心が動かされる。

また、他の作品と同様に表現が美しい。
この美しさはゲーテならではだと思う。
いかなる作家でもこんなに美しく描けないと思くらい美しい。

「ファウスト」の訳者には様々な人がいるが、個人的にはこの岩波から出ている相良さんの本が読みやすいと思う。
この神がかり的な感覚 ★★★★★
この作品の最大の魅力は、

「天空を自在に駆け巡り、地上の人間の営みを見てほくそ笑む。」

この神がかり的(悪魔的でもいいですが)な感覚を、存分に堪能できることでしょう。

これ以上に人間が生み出せる芸術があり得ようか、という位の至高の名作。

中途半端な気持ちで読むとヤケドします。 ★★★☆☆
パラパラと見た感じで、
「戯曲だし、思ったよりも読みやすそうだな」
と甘い気持ちでした。

実際に読んでみると、感覚が一変。

言葉が難しすぎるというわけではないのに、
森の中に迷い込んだような状態に…。
(特に、ワルプルギスの夜に関して)

訳者が解説で
「読む人はただ煙にまかれて呆然とするおそれがある」
と書いていますが、全くその通りでした。

頭脳明晰で、教養のある方々には、
文句無く素晴らしい作品なのでしょうが、
無教養の私程度のものには、
ついていける作品ではありませんでした。

この名作を味わいきれる自信の無い方は、まず解説を読んで、
大まかなストーリーを頭に入れた上で読むことをおすすめします。

そうすることで、少しは迷いにくくなるでしょう。

個人的な評価としては、星3つとさせていただきました。
(20年後くらいに読めばもう少し良さがわかるかもしれません…)
歴史的創作物 ★★★★★
今まで文芸に触れてきた中で、これほど天才的なものはなかった。といってもそれ程、名著を呼んできたわけではないですが。

作中でも作者がどれほど哲学や神学に通暁しているのか、その道に通じている人ほどわかると思う。そして面白いと思う。
物語をつづる上でも建前だけでは説得力に欠ける知識的なものを充分に補っているし、学者としてのファウストだけでもとても参考になった。

この物語の一番の魅力を取り上げるとすれば、やはりグレートヘンのほか無い。
これは幾多の創作家がファウストをつづってきた中で、ゲーテのオリジナルの設定であって、その内容といったら現代文学でもこれを上回るものはそうそう無いといっても過大評価ではないと思う。
個人的にその物語が非常に印象深かったせいか、当時の思想反映である饗宴などのシーンが少しもたついたけれど、創作家はかくあるべきと言わんばかりに作りこまれた内容である。
第一部の後の解説はネタバレなので全部読み終わってから読んでください。


個人的に現代人が「訳わからなかった」「あまり感動しなかった」などさもしい意見を聞くんですがそれが悲しいです。何に対して悲しいのかはおおっぴらには言いませんが。
余談ですが集英社のファウストの表紙が面白かったです。なんじゃありゃ
私は目もくらむほどの体験に身をゆだねたいのだ ★★★★★
・元々ドイツに伝わるファウスト伝説をもとに書かれた作品。ファウストという名の錬金術師と占星家が実在したらしい。同一人物との説あり。この件は、本書の約40ページに及ぶ詳しい解説にも書かれている。
・ゲーテが若い頃から書き始めたライフワークで、最終的には人生経験豊富な老人ならではの視点も入った、練りに練られた傑作である。構成美の一方、人間の醜悪な部分の描写もある。さらに生命力溢れる民衆の楽しみに通じた点がにじみ出ており、作品の深さと広さを感じる。「隠し砦の三悪人」など、黒澤明のいくつかの映画を思い起こさせる。

(付記1)ロックバンドThe Policeの名曲“Wrapped Around Your Finger”の歌詞に、メフィストフェレスの名が出てくる。
(付記2)1938年に毒殺されたブルーズマンのRobert Johnsonには、ギターの上達のために悪魔に魂を売ったとの伝説がある。米国の黒人と共通するとは(キリスト教の影響があるにしても)、何か悪魔には人類共通の思い入れがあるのだろうか?