シュールレアリズムだとか前衛文学だとか、
そんな批評はどうでもよくて、
とにかく自分の中の既成のものをばらばらにして、
ぐちゃぐちゃにふみにじってくれる、
危険で淫靡な麻薬のような作品。
はっきり言って、何をどうすればああなるのか、わけわかりません。
でも考えちゃだめです。わからないまま、読み続けているうちに

不思議な桃源郷が見えてきます。
左脳ではなく、右脳で読むことの快感を私は知りました。
麻薬撲滅に役立つ一冊、と言ったら怒られるかな。

「なんとか読者がしばらくは、読んでいるものとおなじように凶暴になり～」この冒頭の一行で僕はもうやられちゃいました。ここまで文学のあらゆる「可能性」と「美しさ」を表現した詩集は他にはないと思います。とにかく、今日までのあなたの「感性」や「価値観」を一気に変えかねない作品なので最後まで読むか読まないかはあなた自身が決めて下さい。

ロートレアモンは好きな詩人の一人です。とても、言葉の奥にかくされた感情がするどいナイフのように光り輝いています。