貴重な一冊
★★★★☆
今回購入した栗田勇訳のロートレアモン『マルドロールの歌』は本当に貴重な一冊です。購入したのは角川文庫クラシックスでしたが、元々は角川文庫としてラインアップされていたものです。今では石井洋二郎訳などかなり研究を踏まえた翻訳が出ていますが、やはり『マルドロールの歌』といえば栗田勇訳がこの作品の特質や印象を的確に捉えていると思いますので、いつでも気軽にページをめくるためにも手元に置いておきたい一冊です。
ほにゃららロールっていうパンの話ではありませんでした。
★★★★☆
麻酔掛かった言葉の回廊を通り抜けて、堕天使の世界へ。
衝撃的な言霊の群が全編を綴る長編散文詩。
1つ1つの言葉達が化学反応を起こすとシンメトリックに読み手を
これでもかこれでもかと作者(堕天使)の世界へ挑発的に引きずり込んでくれると思います。
言葉の麻酔が織りなす世界は、メリーゴーランドの煌びさを薄皮に纏いつつも、
1つ傷口を見つけると更にその最深へ、最深へと、誘い込まれるよう。
はじめは取っつきにくい言葉もそれらが連鎖していくことで、
次第に読み進むペースを上げてくれる様な本でした
(パン作りの修行にはなりません)。
言葉の恐怖
★★★☆☆
ランボー以上の大胆さ。その壮絶な言葉の数々に圧倒されます。
彼の愛した2人の男性に向けられた強烈な想いが、
彼を激情の詩人へと変貌させたのでしょうか。
この感性に触れたら、新しい価値観が見えてくるかも。