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リチャード三世 (新潮文庫)

価格: ¥452
カテゴリ: 文庫
ブランド: 新潮社
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読みやすい初期のシェークスピア ★★★★★
とにかく王位を得るために、敵、兄、部下、妻、次々と殺していくグロスター公リチャード(のちのリチャード3世)。
せむしで、チビで醜悪な容姿を持ちながら、苛烈な攻撃性と、冷徹な計算高さと、口のうまさで王位を簒奪し、王位を維持しようとする。
最終的には、リッチモンド伯(のちのヘンリー7世)に討たれるが、それまでの徹底的な悪役ぶりにむしろ小気味良さを覚えるほどだ。

作品の気持ちよさは、リチャードのセリフにも表れる。テンポ良く刻まれる自分にも相手にも都合良い論理展開。
リチャードを恨んでいるアンを妻にするところや、兄エドワード4世の妻に娘のエリザベスへの求婚をするところなど、舌を巻く。
これだけのセリフ回しで観る人(読む人)を納得させるのは相当な筆力だ。

この話は、「悪」=「リチャード」、「リチャード」VS「その他の人々」の単純な図式で楽しめる分かりやすい話である。
ただし、人名については、エドワードやら、ヘンリーやら、エリザベスなど親子で同じ名前であったりして、人物は異なるのに同じ名前が繰り返し出てくるわかりにくさはあるが、こればかりは史実に基づいた王権の簒奪劇の話なのでいたしかたない。
政治的リアリズムを見事に描き出す ★★★★★
シェークスピア作品のなかでも、権謀術数を基礎とした政治的リアリズムを最も見事に描き出した名作だと思います。多くの政治学の教科書を読むより、本書を一読することによって政治の生のメカニズムをより深く理解することができるでしょう。
人殺し、それがリチャード三世。 ★★★★★
恐ろしい・・・・。主人公リチャード三世は自分が王になるために、つぎつぎと邪魔者を殺し、ついには王座につく。ところが最後には自分も殺される。

とにかく、あらゆる手で人をおとしめ、その命を奪っていく様はまさに最強の悪役。本当に悪いやつです。舞台では、ほとんど彼の一人舞台になり、ハムレットに並ぶ大役なのだそうです。

結局は、王座に誰が座るかという大人のイス取りゲーム。
悪党の魅力  ★★★★★
リチャードはセムシでビッコである。もちろん、このように生まれついたことに彼の責任はない。だが、世間はそれを、まるで彼のせいであるかのようにみるし、彼自身後ろめたい思いを抱いたことがあったかもしれない。彼はいわばその誕生の時に不正を加えられた。だから、健康な奴らには許されない不正を犯しても、きっと自分には許されるはずだ。ーー悪党になってやる。それも、悪の限りを尽くして、きっと王冠を手に入れてみせる! 
シェイクスピアにあっては、悪党たちのスケールもデカイ。しかも魅力的だ。ーーでも、どうして悪はこんなに魅力的なのだろうか? そういえば、大人たちはしばしば、オレも昔はワルだった、と言いたがるーー。

「尺には尺を」の中に「美しい音楽は悪を善に変え/善を悪にかりたてる」という台詞がある。前半の「悪を善に変え」はいいとしても、「善を悪にかりたてる」というのはなんだろう? たとえばヒトラーのナチスとワーグナーの音楽の関係のようなことをさしているのだろうか? 

美はしばしば私たちをあざむく、と私たちは言う。でもそうではなくて、美そのものが危険なもので、その危うさにこそ魅力がある、としたらどうだろう? 美が私たちをあざむいているのではなく、私たちのほうがそのような危険を愛する、危険でないものに美を見出さない(見出せない)としたら?

悪を善に変え、善を悪にかりたてる美の魔法。ーー両刃の剣、の魅力。