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ジュリアス・シーザー (新潮文庫)

価格: ¥420
カテゴリ: 文庫
ブランド: 新潮社
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数々の名台詞に酔う ★★★★★
歴史物が好きで、学生時代に何度かチャレンジしたが挫折。
しかし十数年たった今読んでみて、数々の名台詞に、なぜ挫折したのか不思議に思うくらいです。
あらすじは皆さん書かれているので、読んでいてしびれた台詞をいくつか紹介します。

キャシアス「・・・そして、おれたち、けちくさい人間どもは、その股の間を往き来しながら、せめておのれのために、恥ずべき墓穴をみつけたいものとあくせくしているのだ。人間、時にとっては、おのが運命をも支配する。とすれば、ブルータス、罪は星にあるのではない、われわれ自身にあるのだ・・・」

ブルータス「・・・おれはシーザーを愛さぬのではなく、ローマを愛したのである。みなは、シーザー一人生きて、他のことごとくが奴隷として死ぬことを望むのか、シーザーを死なせて、万人が自由人として生すことよりも? ・・・誰かいるか、ローマ人たることを欲しないほど不遜な人物が?・・・この私はローマのために最愛の友を殺した。その同じ刃を、もし祖国がそれを必要とするならば、いついかなるときでも、われとわが胸に突きつけるであろう・・・」

アントニウス「・・・シーザーはわが友であり、私にはつねに誠実、かつ公正であった。が、ブルータスは言う、シーザーは野心を懐いていたと。そして、ブルータスは公明正大の士である・・・貧しきものが飢えに泣くのを見て、シーザーもまた涙した。野心はもっと冷酷なもので出来ているはずだ。が、ブルータスは言う、シーザーは野心を懐いていたと。そしてブルータスは公明正大の士である・・・私は三たびシーザーに王冠を捧げた。が、それをシーザーは三たびしりぞけた。果たして、これが野心か?が、ブルータスは言う、シーザーは野心を懐いていたと。そしてブルータスは公明正大の士である。 私はなにもブルータスの言葉を否定せんがために言うのではない。ただおのれの知れるところを述べんがために、今ここにいるのだ。みなもかつてはシーザーを愛していた。もちろん、それだけの理由があってのことだ。とすれば、現在いかなる理由によって、シーザーを悼む心をおさえようとするのか?ああ、今や分別も野獣のもとに走り、人々は理性を失ってしまったのか!・・・みな許してくれ、私の心はあの柩のなか、シーザーと共にあるのだ、それが戻ってくるまでは先が続けられぬ・・・」

長い引用となってしまいましたが、私もその場面にいたら・・・、市民と行動を共にしない自信はありません。
ローマ史の勉強の合間に読みましょう♪ ★★★☆☆
絶対的な名声と権力を手に入れたローマの英雄シーザー。
やがて彼が王になることに対し、危機感を募らせてきたブルータス一味がやむをえず暗殺を企て決行します。
しかし、運命の神々はシーザー派のアントニーに味方し、ブルータス一味を破滅に追いやることに・・・

ストーリーはすごく単純ですが、起承転結があって、場面転換がスピーディーなので、伝説的クーデターを一挙に目撃してきたかのような快感を味わえました。

なにより各人物が語る口調がすばらしいです。
面白かったのは、クーデター直後アントニーがカエサルの亡骸とともに民衆の前でする演説です。
「王冠を三度断ったシーザーは、公明正大の士ブルータスにたおされたのだ」と皮肉いっぱい。
ブルータスがあっという間に英雄から極悪人に変わってしまいます。

福田訳は古臭くありませんでした。巻末の解題もしっかりしています。プルタークの『英雄伝』を基に戯曲に仕立てているということなので、こっちも読んでみたくなります。

歴史を文学・娯楽作品にすることによって、生身の人間がどのような気持ちで過去に生きていたのだろうかと、豊かな見方ができるんだなあと考えたりしました。
楽しめました。 ★★★★☆
タイトルは『ジュリアス・シーザー』なので、
シーザーのカッコよさを前面に出した戯曲を想像してしまいますが、
そういったものではありませんでした。

内容は、大きく分けると、
シーザー殺害前、
シーザー殺害、
シーザー殺害後、
の3つになると思います。

シーザーに飛びぬけたカリスマ性が描かれているわけではありませんし、
全編にわたって登場するブルータスが主人公のような内容でした。

読みやすい訳ですし、
楽しめましたが、
期待していたほどではなかったので、
個人的な評価としては星4つとさせていただきました。
共和政ローマの終焉 ★★★★☆
 塩野七生さんの『ローマ人の物語 ユリウス・カエサル』を読んだ後だと、ちょっと物足りないかも。

 四大悲劇に比べると、全体的にちぐはぐな印象が残りました。表題がシーザーとなっていますが、明らかにシーザーは主人公ではなく、むしろブルータスやキャシウスを中心とした群像劇に近い構成になっているというのもそういう印象を後押ししているのかもしれません。

 ただ全くの失敗作かというとそうでもありません。人間の弱点を映し出すのが上手いシェイクスピアらしく、潔癖ゆえに頑迷なブルータスや利己的な故に柔軟ではあるが嫉妬深いキャシウスの心の動揺を戦況の変化とあわせて描いています。また政治劇だけあって簡潔でわかりやすい文章になっていますので、初めて読まれるシェイクスピア劇としてもお薦めです。
ブルータス、徳高い仇。 ★★★☆☆
★3/3(最高!)


人間の心を無限に描き出した至高の作家シェイクスピアの、悲劇作品群の先駆けとなるローマ劇作品です。日本では四大悲劇よりも知名度が劣るかもしれません。

後のハムレットに継承されてゆく要素も少なからずありますが、この作品に触れる多くの方の目は題名であるジュリアス・シーザーよりも、
その敵でありながら有徳で高潔な人物ブルータスに注がれることになるのではないでしょうか。

彼の見事に散りゆく様は、日本に失われた武士道をも想い起こさせます。
シェイクスピア作品のもつ卓越した点のひとつは、いつの時代の人間にも普遍的な問題があつかわれていることなんですね。

この作品が劇作品であることや、英語原文でなければ味わえないリフレインの効果が多用されていることにも留意しつつ、
登場人物たちの色々な生きざまを見守ってください。