92年に発表したアイアン・メイデンの10作目のアルバムである。80年のデビュー以来、12年間変わることのないアイアン・メイデンのスタンダードは、緻密でスケールが大きく、美しいサウンドが堪能できる。
ツインギターとベースとのスリリングな掛け合いや、ブルース・ディッキンソンの横隔膜をフルに使った絶唱の出番が少ないのは残念だが、厚みのあるコーラスはよりナマっぽくなり、精巧な曲の構成とライヴ感覚がミックスされている。イギリスを代表するヘヴィメタルバンドとして、いまだ健在という事実は、賞賛に値するだろう。(富良仁 枝実)
第一期黄金時代の最後を飾る名盤
★★★★★
90年代を代表するMAIDENの名作。
アルバムタイトルである「FEAR」と「DARK」が、作品全体を怪しく包み込み、独特のムードを醸し出している。そして、それをヴィジュアライズしたアルバムカバーも、MAIDEN史上でも屈指の出来栄えだ。
サウンド的には、NWOBHMというよりは、70年代ブリティッシュ・ハードロックに近い懐の深さを感じさせる曲が多く収録されているという印象が強い。特にブルースの唱法には、イアン・ギランへのオマージュが散見され、また、楽曲にもPURPLEっぽいアレンジが施されている部分が見受けられる。
前作とは異なり、各曲長さはバラバラで、長尺の大作もあればR&R調の3分台の曲もある。雰囲気はダークだが、実は楽曲自体はヴァラエティに富んでいるという、ユニークな側面もあるのだ。
しかしながら、本作を最後に、MAIDENNは数年間の低迷期を迎えることになる。
僕個人の感覚としては、その予兆は感じていた。これは、HM/HRシーン全体に言えることでもあったわけだが、たとえ秀逸な作品を発表し続けていても、時代のムードというか、ある種の閉塞感やマンネリズムが存在していることを認識せずにはいられなかったのだ。
彼等の場合、究極の完成度を誇る「SEVENTH SON OF A SEVENTH SON」アルバムがキャリアの最高点であり、「こんな所にまで到達して、この後どうするんだろう?」という不安感を、僕は抱いてしまっていた。
その時から5年後、ブルースの脱退という形でその不安は現実のものとなり、MAIDENの第一期黄金時代は幕を閉じるのである。
バランスの取れた傑作
★★★★★
アイアンメイデンのファンにとっての彼らの魅力はボーカルの良さ、ツインギターの掛け合い、前面に突き出たベースかと思います。どれか一つが突き出たアルバムは確かにその音色に魅力を感じる方には素晴らしいアルバムかと思います。しかしバンドのバランスと言う意味ではこれらの魅力が全て満たされればそれはまた多くの人々にとって魅力を感じられるのではないかと感じます。このアルバムは全ての魅力が満たされ最後までどれか一つの要素だけが突き出た印象の無いまとまりのあるアルバムです。
普通の良質なロックバンドになってしまった。少々退屈な作品。
★★★☆☆
前作よりも、ブルースの声の出が良いなと思った(笑)。それはそれとして、確かにヤニックの加入は、バンドに新たな活力をもたらしたが、結局普通のロックバンドになってしまったような気がする。前作もそうだったが、この作品でもメイデンは以前はやらなかったような楽曲をプレイしている。しかし、単に普通のバラードをブルースが伸びやかに歌っているだけだ。まあメイデンとしては「新境地」なのかもしれないが・・・。スティーブ・ハリスは、ヤニックに関しては割りと好きにやらしているようだけど、この人のギターには、あまりイマジネーションが感じられない。なんか弾きまくっている割りに印象に残らないのだ。あとスティーブ・ハリスのプログレ趣味(変拍子を使ったこねくり回すような構成の楽曲)がかなり出てきた。そろそろアイデアが枯渇してきたのではないだろうか。ブルースは器用で、表現力が豊かな歌手なので、無難にこなしているが、作品全体としてはパワーや驚きがなく、退屈した。タイトル曲は、ストーンズの「黒くぬれ」のメイデン流解釈か。
魔力の刻印に次ぐ傑作
★★★★★
楽曲のキャラ立ちが良い。
また緊張感に満ちている。
上手く新機軸の要素を取り入れ、
80年代中期以降のマンネリ感からの脱却に成功していると思う。
低迷期に入りました
★★☆☆☆
バンド内に亀裂があったんだろう と匂わせる作品
取り急ぎレコード会社から言われたから出しましたってスティーブハリスの声が聞こえるね
簡単に言えば全てが中途半端