生きている絵本
★★★★★
大きな絵本があくびをしたとき、口から飛び出たのが絵本の子どもたち。
絵本の電車に乗って世界中の子どもたちへ、お話をとどけに出かける。
水のこどもへ、森のこどもへ、海のこどもへ、山のこどもへ…
お話は自由自在。どんなときも、どんなところへも行くことができる。
もちろんあなたのところへだってやってきます!
読み終えたらカバーをはずしてみてください。
これは読者が手に取ることによって完成する作品でもあります。
今や世界的な絵本作家の荒井さんにとって、絵本とは何なのか?
ひとつの根本的な問いかけに、自らの作品で答えを描いたという点で
非常に興味深い絵本。
タイトルから文章、奥付の文字に至るまで、文字はすべて手書き。
そんなところからも、作者が絵本に生命を与えようとする試みが
本気であることが伝わってきました。