ユーモアに富んだ、人間が演じる以上にハードボイルドな世界?
★★★★☆
「花は桜、男はジョニー」
で始まるハードボイルド探偵小説!といっても登場人物達はラビッツ(ウサギ)である。
この手のタイトルからしてどこぞの外国人作家によるものかと思いきや、東山彰良氏による作品。
ウサギを主人公にハードボイルドを描けるセンスがある日本人作家がいたことは驚きであり、喜び。
ウサギだからさぞ可愛らしい展開だろう…と思って読むと、初っぱなから依頼に訪れた美人ウサギを観るや依頼内容も聞かずに本能に任せて××してしまう!という鬼畜な行動に!(まあ主人公はウサギだから何でもありってことでしょうか。)ゴルゴ13も顔負けのハードボイルドぶりだ。(獣ですから…)
ウサギを擬人化しただけではなく、人間の行動とウサギの本能がミックスされているので展開が非常に面白い。
殺伐としてミステリーやサスペンスに飽きがきている読者にはお勧めの怪作。
表紙の絵もお洒落で、このまま額装したいくらいだ。