困惑的軍事用語事典
★☆☆☆☆
学問の分野で、学術発展の基礎の一面は、定義と用語を的確に用いることである。戦後わが國では軍事アレルギーの影響によりこの種の事典なり、辞典は公刊されていない。まして軍事専門機関である防衛庁・自衛隊が軍事用語の辞典などを公刊したということは見聞していない。この観点からこの類の事典などは必要と思われる。しかし、軍務経験がない戦史研究者が当該書を出版したことは驚きであり、内容も現在通用しない用語である兵学、兵術などが記載され、また経営学分野で定着していない経営戦略・戦術など、単なる便宜上の用語が取り上げられ混交している。このことは初学者、一般の読者に混乱を与え、軍事専門家は困惑するであろう。早く権威ある軍事用語辞典が公刊されることが望まれる。
秀作といえる用語集
★★★★★
用語集というのは、評価が分かれるものだと思います。なぜなら、それを手に取る人それぞれに、求める用語が異なるからです。このため、一般的に、用語集というのは、「帯に短し、たすきに長し」になりがちです。
本書の内容は、第2次世界大戦までの戦史を読む際に、必要な用語を網羅しています。このため、その方面の研究を志す人にとっては極めて重宝なものになっています。そして、今まで、混乱があったと思われる大戦略、戦略、戦術等の新しい分類にもしっかりと目を向けています。また、最近、戦略という言葉を多用し始めているビジネス界にも目を向けています。これらのことを考えますと、本書は秀作といっていい用語集ではないかと思います。
第2次世界大戦史、特に日本の戦史を研究する際には、座右の書になると思います。
ごちゃごちゃ
★★☆☆☆
戦略体系の採集巻として出された本であるが、そのまとめ的な位置付け
にすれば良かったのに、今一つである。辞書機能をつけても、ごちゃご
ちゃになっていて、あまり読み応えがない。
これまでの大家が書いてきた本がインパクトがあっただけに残念。