ドゥーエ当人が思っていたほど、戦略爆撃だけで戦争に
決着がつけられるわけではなかった、というのが
歴史の結論であり(爆撃の破壊力の見積りの問題だ)、
今後、戦略爆撃が必要になる大規模戦争自体なくなっていく、
ということで、ドゥーエの理論がドゥーエの考えどおりに
証明される機会はついに来ないようでもある。
ま、核弾頭装備の弾道ミサイルをどう考えるか?にもよるけど。
しかし、戦略というものは、適用される技術によって変容するもの。
孫子やクラウゼヴィッツといった著名どころと肩を並べて
空軍戦略のドゥーエがシリーズに加わっているのは
そういう意義だと思うし、過去の悲惨な歴史の背景にある理論を
知る意味でも読んでおく価値はある。