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神経内科医の文学診断

価格: ¥1,995
カテゴリ: 単行本
ブランド: 白水社
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おもしろいです ★★★☆☆
ちょっと、身構えてしまいそうなタイトルですが、文章自体は平易で読みやすいです。別に医療関係でなくても十分理解できる内容です。難しいことを平易に書くことができてこそ、真の教養人といえるでしょう。中身をかいつまんで話をするなら、ルックドイン症候群の解説は、映画”潜水服は蝶の夢を見る”の再理解につながったし、ドンキホーテに関しては狂気・正気とはなんなのかと思えるきっかけにも!?
絶滅危惧種の教養人の仕事 ★★★★★
敬愛する岩田先生の最新刊。雑誌「Brain Medical」連載の記事をまとめた本である。文学作品に描かれた神経疾患に岩田先生が診断を下していく体裁であるが、診断そのものよりも、そこから派生した随想がむしろ中心である。学者らしい明快・的確な日本語は大変読みやすい。そして、恐らく神童の誉れ高かったと思われる少年時代の記述に驚く。とても敵わないと思う。そして、多忙な教授職にあっても、実に多くの読書をし、異業種の人と交流し、多方面にわたって関心を持ち続けておられる。それが如何に難しいことかを、私は容易に想像できる。

若干専門的な話もあるので、一般の人にはわかりにくい部分もあろう。しかし、文理を問わず学問というものの香気に触れたいなら、本書は正に最適である。また、自分の専門にしか関心がなく論文のインパクトファクターをどう稼ぐかにしか興味のない連中とは一線を画す、真の教養人の学問の作法を示す本でもある。

先生、とりわけ14講、ヒルデガルト・フォン・ビンゲンについてのご考察、見事でございました。ところで30講、アレッサンドロの病気を先生は家族性片麻痺性片頭痛(疑い)となさっていますが、ここはパニック障害と考えてはいかがでしょうか。典型的な予期不安もあります。頻度の高い疾患ですし、似通った性格ならば家族性発症は十分説明できると思います。