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『こころ』大人になれなかった先生 (理想の教室)

価格: ¥1,575
カテゴリ: 単行本(ソフトカバー)
ブランド: みすず書房
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読むと不快になる ★☆☆☆☆
この本で展開される論理は即ち、
先生は親殺しできなかった→大人になれなかった
ということだけです。
フロイト的に解釈すれば確かにそうだが、そんな解釈をすることに一体どんな意味があるのでしょうか?
先生が「子供」のままだったとしたら、彼の遺書など読むに値しない自己弁護の文章ということになりますから、従って『こころ』も無価値な小説に成り下がります。
この著者は自分の解釈に都合の良い部分だけを抜き出して正当化しているだけです。
漱石が先生という人物をそんな意図で造形したわけがない。『こころ』を普通にきちんと読んだ人ならわかるはずです。
この本は読む値しない噴飯ものです。
大人になれなかったと言うよりも・・・・・ ★★★☆☆
 高校時代の教科書で読んだ「こころ」と"大人"になってから再読する「こころ」。読者の中でのその大きな違いは、「奥さん」=「静」に対する評価ではないだろうか。本書では、「静=全てを知っていた策略家」の可能性について、論理的かつスリリングに言及されている。さらに、テクストには、先生の死後に青年と奥さんが一緒に生きていくことが示唆されているともしているが、私は本書で青年と静の歳の差が2〜3歳である可能性が高いことを初めて知りとても驚かされた。
 タイトルにあるように、「大人になれなかった先生」という切り口でのこころ論が展開されている。しかし、本書の真骨頂はやはり静をめぐる考察ではないだろうか。概ね大変面白く読めたが、欲を言えば、当時の女性が生きていくためにはある程度の策略が必要であった背景についての考察があればもっとよかったように思う。
買いです。 ★★★★★
テクスト論という視点から、馴染みの作品を論じられると、今まで考えてみもしなかった読みを提示され面食らうことがままあります。「こころ」という、その大部分を語りによる物語を、やれ後期三部作だ、エゴイズムだのと(例えば、教材として教えるために身勝手に)捉えてきた自分のようなものにとって本書は、思わず赤面し猛省を促されるばかりの肩身の狭い思いをさせられた作品です。内容についてのなんの説明にもなりませんが、長い時間をかけて「こころ」という作品に接してきた人にはぜひ読んでいただきたい一冊です。
「こころ」を読んだら、ぜひこの本も読んでみて!! ★★★★★
あなたを含めて「こころ」を読んだことのある人はたくさんいるだろうが、
この本を読んだ人はずっとずっと少ないはずだ。

しかし、この本を読めば、今まで気づかなかった「こころ」にかくされたしかけに驚嘆し、「こころ」の持つ本当の面白さに目覚めると思う。
私は、文学に関しては、全くの門外漢であるが、文学することの知的興奮とはこんなものだろうかと一人納得している。

筆者独自の視点から、先生、主人公の青年、奥さんの「静」の3人についてそれぞれ、「こころ」に隠された謎が明かされているが、
特に、先生の奥さん「静」と主人公の青年との間に子供がいることが暗示されているという説があることにはびっくり!!

この本を読む前と後では「こころ」に対する印象が大きく変わるはずである。
そして、この本を知らないみんなに知的優越感がもてる事請け合いである。
ぜひ、読んでほしい。おもしろいから。
「奥さん」は、誰の「奥さん」をなるのか・・・? ★★★★★
 今までよく読まれていた「こころ」が、まるで見知らぬ構造を持って蘇ってきた面白さは、たとえようが無い。推理、推論、仮定、仮説、そして、恋の鞘当ても友情も三角関係も然り…、そういった事柄がアナグラムのように、時と場所を移して、置き換えられ読み替えられていく妙を味わうことができた。

 「先生(私)」の在り方は昔から論議されていたところではあるが、「青年(私)」「お嬢さん(奥さん・静)」の在り方は斬新で、妙に納得させられるリアルなドラマ感があった。要は人間は目の前に見えている通りであるはずが無く、その中には他人に知られないような自分を、意識するしないを別にして隠し持っているのであり、この小説の構造・か枯れ方もそうなのだということを改めて認識させてくれた。

 「親殺し(先生殺し)」「父を乗り越えて大人になる物語(大人ごっこをしている子供たちの物語」という切り口には、ただただ唸らされてしまう。教科書の「こころ(先生)像」のイメージを払拭するこの本は、人間というものの捉え方(小説の読み方)に、新しい光を当ててくれるものだ。