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テンペスト 上 若夏の巻

価格: ¥1,680
カテゴリ: 単行本
ブランド: 角川グループパブリッシング
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いいじゃないか!勢いで押し切る内容も、たまには面白い!  ★★★★☆
19世紀の琉球王国の話。
隣接する清国と日本(薩摩藩)はもとより、ヨーロッパ諸国の干渉を逃れ、独立国家を維持し続けようと、外交手腕を駆使し、もがき続ける王府。

侵略の危機、経済の危機にさらされているにも関わらず、城では、賄賂、横領、見栄と意地が横行し、贅沢の限りを尽くしていた。

腐りきった政府を立て直すため、王族の血をひく少女が立ち上がる。

ひとことで表現すると、琉球王国を舞台とした韓国ドラマ風小説
恋あり、死あり、笑いあり、涙あり・・・・急激な展開。
ワクワクさせる設定も、いっぱい散りばめられています。

主人公は、歴史の闇に葬られた王族の血を引く娘。
しかも、かなりの美少女(性を偽り、宦官になる。)
さらには、13歳で、行政官試験を突破できるほどの神童

この娘が、嫉妬と憎悪が渦巻くドロドロの琉球王国のなかで、ほんの一握りの賢者(国王や伝説の参謀)の後押しを受けながら、知力と情熱で、外交の危機を乗り越え、政府の膿を出し、あんなことも、こんなことも・・・・それはそれは、痛快です(笑)

娘を取り巻く、男性二人の存在も見逃せない!
もちろん、超イケメン(笑)

一人は、親友であり同期のライバル。
もう一人は、薩摩藩から交渉に来たイケメン武士。

宦官(男)だと信じきって、あついこころざしに共鳴し、 男同士の友情を築く一方、たまたま、女性にもどった娘と、同一人物とは知らずに出会い恋に落ちる。

あまりにも波乱に満ちて、速すぎる話の展開なので、ハラハラドキドキのまま、すべてのことをねじ伏せて、いつのまにか終わっている作品。
よくよく考えると、つじつまが合わないような・・・(笑)

いやいや、そこが、いいんです!

たまには勢いに身を任せて、ちょっぴりバカバカしいようなエンターテーメントの渦にのまれてみて下さい。

やめられない、止まらないのお話。
ぜひ上下巻いっぺんに揃えて読んでください。
琉球王国を描いた歴史大河小説のライトノベル風味 ★★★★★
おもしろかった、物凄く。ただし、これを読む時には、ライトノベルだ!と思って、エンターテイメントとして割り切って読まないと、肩透かしを食らってしまう。僕は、「そここそがいいんじゃあないか!」と思うけれども、歴史大河小説を期待すると、その「軽さ」とエンタメ重視の姿勢に、つまらなく感じてしまう人もいるだろう。けれども、こういう味付けをしないで、だれが、琉球王国の歴史なんて言うマイナーな部分を小説化してくれるだろうか?、そういう意味では、著者の戦略と功績は大きいと思う。もちろんある程度戯画化(カリカチャアライズ)されているとしても、なるほど、琉球王国というのはそういう存在で、そういう「美」があったのか!と思わせる、知らしめさせる物語世界の美しさには、感動します。ライトノベルの萌え小説として「も」読める、というところにこの小説の素晴らしさがあると僕は思います。これが売れれば、次があるもの。
さすがの、イギリス芸人 ★★★★★
あまりに分厚かったので、
後回しにしてました。
意を決して読み始めたら、
おもしろいこと、おもしろいこと。
この作家の知識の豊富さと、
その史実をベースにした創造力に脱帽。
半端じゃない。

舞台は琉球王国。
時代は日本で言えば幕末。
琉球は清国と冊封体制を結びながら、
薩摩藩にも従属国として扱われる。
南の島の小さな島国にとって、
王国体制を維持しながら、
生きていくとは、そういうことなのだ。
その属国としての従順さを示すために、
一切の武器を持たずに、
美と教養でこの国は世界に類を見ない、
特殊な王国体制を維持していた。
清の科挙よりも難しいといわれている科試という、
官僚になるための試験があり、
琉球中の男は、科試に受かるために必死に勉強していた。
それでも、1年に1人か2人しか受からないため、
科試浪人も珍しくない。

清がイギリスにより支配されつつあり、
世界地図の色が変わろうとしていたこの時代に、
科試合格最年少記録を塗り替えた一人の宦官が、
琉球王国を守ろうと、
王国府官僚への道を踏み出した。

【ネタばれ】
宦官の名前は、孫寧温(そん・ねいおん)。
実は彼は、宦官ではなく、
第一尚氏復興という望に命をかけた父を思い、
知識よりも美を極めたい兄を思い、
そして何よりも、あふれる知識欲に抗いきれない自らのため、
真鶴という女を捨て、
男の姿となり、科試に受かり、官僚となったのだった。

妖艶な美しさと、
誰をも寄せ付けない知識によって、
数々の難題を解決していく。
イギリス難破船問題、
王府の巫女である聞得大王の謀略、
薩摩藩からの無理難題、
王府には陰謀渦巻く、
あらゆる勢力が集まっている。
貴族、王族、そして、巫女や、女官たち、
清国の役人、薩摩藩の役人。
なかでも、紫禁城を追われた宦官により、
犯されてしまった孫寧温は、
最も自分を守ってくれていた理性を捨て、
自らの尊厳のために、その宦官を殺してしまう。
それがばれたがために、
八重山へ流刑となってしまうのだった。
他の作品に ★☆☆☆☆
池上作品は既に何冊か読み、そのカルさも、フザケ具合も、登場人物の(ある意味)お行儀の悪さも、奇想天外なストーリーも大好きで「ウ−ン!これぞエンターテイメント!」と面白がってきました。よって『テンペスト上・下』も期待を持ってひもときましたが…ウ〜ン、ちょっと満足出来なかった。なんかねぇ、濃度が薄い(他の小説に比ると)。および力が弱い(特に、後半から終盤)。「ページを増やしすぎた弊害では…?」ファンとしてはそう感じます。
まだ池上作品を読んでいない方の1冊目には『テンペスト』はお薦めしません。
あなたが女の人なら1冊目は『バガージマヌパナス』か『風車祭』がお薦めです。
あなたが男の人なら1冊目は『レキオス』か『シャングリ・ラ』がお薦めです。
また『テンペスト』のみ読んでがっかりした人にも、上記4作お薦めします。
…蛇足ですが、池上作品はハチャメチャ・エンターテイメントです。どんなものにも(エンターテイメントにさえも)“マジメな世界”を求める方には合わない作家と思います。
稚拙な文章 ★★☆☆☆
「これはプロットかい?」と思ってしまうような文章。
あまりに稚拙。
これを読んで面白いっていうのは違うんじゃないでしょうか。
これがプロットで、ここから話を膨らませるというなら、分かるんですけどね。