女好きで手の早い与謝野鉄幹は、雑誌「明星」の主宰者であり「在原業平気取り」と噂されていた。旧家の箱入り娘・鳳晶子と深窓の令嬢・山川登美子は鉄幹を取り合うがごとく「明星」に投稿してゆく。登美子は他の人に嫁ぎ、滝野は実家に帰ってしまい、やがて晶子は鉄幹と結婚・入籍・・与謝野晶子の誕生である・・・・。しかし、夫鉄幹への誹謗中傷・批判・非難などがあって、四面楚歌となり、「明星」の売り上げが激減し、二人の暮らしは貧しく、苦しくなった。そんな中、与謝野晶子の歌集「みだれ髪」は、読者を魅了してゆく・・・。
渡辺氏の評伝小説の頂点ともいうべきものであるが、歌を理解することが難しい私のような凡人にとっては、読み通すのに少々つらいものがある。それにしても晶子・鉄幹の!「恋愛や出版に対する情熱」は、現代人(一般人)には、ちょっと理解に苦しむほどである・・・・