厚さのない本なので、数時間もあれば読了する。
難しげなテーマに沿った研究書とかでは全くないので、気軽に読めるオースティン本だと思う。
名言集はこれと言ってレビューするようなこともない気がする。
様々なテーマに分かれて、彼女の小説ほぼ全てから抜き書きされる形になっている。
そうだそうだこんなシーンあったな、それにしても論理的に整った見解を書ける人だよなぁと改めて感心。
面白いなと思ったのは、皆さん書かれているように、随所に挟まれるコラムだ。
映画や当時の文化やジェインの足跡等、こまごまとした情報が載せられており、自分にとっては初耳の情報もあったりする。
コラムにはヘタすると名言集より分量が多いんじゃないかと思うほど頁が割かれている。
モノクロとはいえ写真も結構掲載されているが、どれもサイズが小さいのが残念かな(大半は様々な書籍でカラー掲載もされているが)。
名言集だけなら買う必要ないかなぁと長いこと購入を躊躇していたが、魅力的なコラムは購入の大きな決め手になった。

オースティンの代表的な作品の中から、名言をテーマごとに
あげられていて、それだけでも十分オースティンの世界を
味わうことが出来ます。
コラムには知られているようでいないようなこぼれ話も。
これを読むと彼女の作品を読みたくなります。
自分でも読み返してみようと思っています。

決して広い世界を知らないまま生涯を送ったオースティン、でもその鋭い人間観察の目を通して描かれた作品は、とても魅力的です。

この本には主に彼女の６つの長編小説から、彼女の目に映った「人生の真理」ともいえる引用文が、テーマにそってリストアップされています。
よって、最初から順番に読む必要はなく、気になるテーマの気になる作品の引用文を見つけては、また原作に戻って読み直してみる、という気ままな楽しみ方ができます。

なお、所々にちりばめられたコラムでは、作品紹介にとどまらず、映像化された作品とそれに関するこぼれ話も紹介されていて、こちらも楽しめます。