舞台は現在進行形の正伝より少し先の時代、パロ内乱平定後のケイロニアの首都サイロン。疫病が蔓延し、禍々しい暗雲に覆われたサイロンの上空に巨大な目が現れる。解決を図るべく豹頭王グィンは単身、サイロンに向かう・・・。
本書が書かれた当時は辺境編が終わるか終わらないかといったところであったため、本書のグィンがいきなりケイロニア王になっていたり、ゴーラ王イシュトヴァーンとの国境紛争を臭わせる記述があったりと、そのふたりの境遇の変わりようは驚きだった。魔道の描写が少なかった辺境篇からはすると、本作では表題のとおり7人の魔道師がサイロンに集い、グィンと対峙するというダークな展開が新鮮だったのを覚えている。
最近の正伝では過剰とも感じられる描写に辟易する部分が少なくないが、本作の文章は適度に締まっている。グィンやヒロイン「ヴァルーサ」の描き方などグィンサーガの原点のひとつだと思われるE・R・ハワードのコナンシリーズを髣髴とさせ、正伝では失ってしまったこうしたヒロイックファンタジーの系譜を感じさせる雰囲気がとても好ましい。
この巻の内容が本編にすこ~しずつゆっくり出てくるので
それを追うのも楽しいかと。作者の栗本さんもつじつま合わせに
苦労してるみたいですが(笑)。
内容自体は本編と違い、とてもSFな出来です(変な表現?)
とゆーか、変なわけわからん化け物が連発して出てくる。
この化け物共にグインが仲間と共に立ち向かっていく、という
王道のお話であります。
未だに本編と並行してたまに読みたくなる一品ですね。
この世ならぬ不可思議さに彩られた豹頭王グインの冒険を、共に感じて下さい。