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春の声 (新書館ディアプラス文庫)

価格: ¥588
カテゴリ: 文庫
ブランド: 新書館
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リーマン二人なのに青春しているなと羨ましくなるような内容 ★★★★☆
意外に自分のことには疎い先輩受と、ワンコ系、しかも用心棒系ワンコ攻といえばよいでしょうか。
派手さはないけれど、地についた感じのBLが好きな人にはおススメです。
個人的には、久我作品は大好きなので、久我さんデビュー作であるこれも当然おススメです。
ただ、初期作品だけに、その後に出た作品と比べると荒削りというか、絶対的な面白さがあるかというと、そこは割り引いて考えてください。

後輩社員の浩明の気持ちを理解して、男同士ということにびっくりし、それでもやっぱり浩明がいいと篤也が納得するまでが「春の声」。
篤也がやはり男同士ということに怖気づくのではないか、自分を性的関係相手にはみてくれていないのではないか、関係をおわらせようとしているのではないかと不安でたまらない浩明に、やっと?事の真意に気がついてそれでも浩明と一緒にいようと篤也が決めるのが「夏の声」
数年後の安定した二人が、転勤という遠距離を味わう可能性にあえぐ姿が「君の声」

「春の声」以降は、気持ちの時間的すれ違いや意識の違いなど、リーマン二人ですが、すっごい青春してるなあと羨ましくなるような内容。
浩明の篤也に対する絶対的服従?、もとい絶対的愛が溢れています。
嫉妬して、でも篤也に嫌がられるかと思って言えない浩明がどんどん憔悴していく姿は、まさに青春。
頑張れ、浩明!と母親のような気分で読んでしまいました。

少し気になったことといえば、いつのまにか篤也が何だか格好よい男に仕立て上げられていたこと。
最初のころは、ただ関西から出てきた東京嫌いの男のイメージしかなかったのですが、話が進むうちに、実は篤也は格好よくて男を引きつける魅力をもつ人間だったことになっていて、びみょ〜にBLご都合主義設定の一欠片を見てしまったみたいです。
安定感ある一冊 ★★★★☆
ビールの営業マンの話。
包容力のあるヘタレ年下攻×男の色気に溢れる年上受。

奇抜ではないが緩急ある展開と、しっかりした筆力で、
あまり、ありがちさやデビュー作っぽさを感じなかった。
受の性格が男らしいのと攻の一途さで、安心して読むことができる。
関西弁の台詞は、馴染みの無い私でも違和感ないばかりか、
テンポが良くトントン読める感じがして良かった。

この作者にしては珍しく、受に惚れる当て馬の男が登場するが、
そっちとくっついてもいいんじゃないか、ってくらい良いキャラで、
話も割とサクッと進むので、ドロドロ展開にはならず楽しく読めた。

展開の流れは継いでいるが、基本的に読みきり形式の話のためか
三篇ともグダグダ感が無く、さっぱりした話を読みたい人、オススメです。

この作者の作品の中でも、かなり好きな部類です。
とにかく受の男らしさにノックアウトされます。

月下夜香 ★★★★★
 桜ビールの営業マンで生粋の関西人・篤也は、社内派閥の関係で東京に飛ばされて、以来、苛立つ日々を送っていた。東京の流儀に馴染めず、コンビを組む後輩・浩明の標準語も気に入らない。だがどんなにきつくあたっても、浩明はもの言いたげな眼差しを向けてついてくる。その視線の意味が気になる自分にまた苛立つ―― そんな時、仕事先で同じ関西人の多田と出会い‥‥‥? 久我有加のデビュー作、ついに文庫で登場!! 私の大好きな作品です。 木原音瀬さんの『恋愛時間』もそうですが、ごく普通のノンケが仕事を通して相手の人間性と一途さに心動かされて行く、その過程がいいのですね。誠実な恋物語です★
BLのとりこ ★★★★★
面白かったです☆ビール会社の営業マンのお話で先輩後輩モノ,しかも年下攻めです。泣き虫で少し幼さの残る標準語を話す浩明(攻)とバリバリの大阪弁を話すオトコマエの篤也(受)のやり取りに途中どっちが攻め?受け?と不思議な錯覚に陥りつつ読んでしまいました(^^;)。二人が付き合い始めて3年後のお話の『君の声』では子供っぽかった浩明もちゃんと大人の男に成長していて安心しました。こういうふうにお互いを大切に思い合える対等な関係っていいな~とうらやましく思いました。それから余談☆ですが,作中何度も出てくる篤也の色気というものに最後まで??で店長はあんまり分かりませんでしたです(^^;)。
ラブラブ「ボーイズラブ」 ★★★★☆
【同僚】大阪ではそれなりの成績を残せていた篤也だったが、慣れない東京では同じように営業してもうまくいかず、勝手の違いに気持ちがささくれ立っていた。
そんな時営業先で同じ大阪の人間・多田と出会い、懐かしさにすっかり意気投合してしまうが、コンビを組む東京人の後輩・浩明から釘を刺され反発。
男同士のことにはてんで鈍い篤也が、危険に遭いかけて初めて誰が自分を一番大事に思ってくれているのかが見えてくるのだけれど、そうなってからは、浩明の遠慮がちな不器用さが可愛くて仕方がなくなってくるところや、受身側になるけれども精神的には浩明をリードするような男前な態度がいいし、年下攻めなのに強引さのない、甘え体質というか、母性本能をくすぐるような浩明もよかった。
三年後のお話では浩明も成長して頼りがいのある男前になっているのもよかったし、あんなにキツイ大阪弁で年下の浩明をリードしていた篤也が、思いのほか浩明と離れたくないと弱気になるところがせつないし、可愛いい一面も見られて大満足だった。