中国の教科書が取り上げられているのですが、私には金さんの現代中国情報が新鮮に感じられました。ここでは、それにまつわる引用。
「中国には優秀な学生の為の奨学金制度すらありません。・・そもそも中国では、義務教育(中国の義務教育は小学校の6年間)の就学率が九十何㌫に達していると言っていますが、そんなのは真っ赤な嘘です。農村では子供たちが小学校にも行けないほど貧しいところが今もたくさんあります。」(p30)
「中国の愛国主義教育を推進しているのは、日本の文部科学省に相当する中央官庁の教育部ではありません。ではどこがやっているかというと、中国共産党のイデオロギーやプロパガンダを統括する『中央宣伝部』というところなのです。」(p201)
井沢元彦さんの意見も紹介するべきですね。
「中国の文化大革命(1966~76)という共産党が行なった大虐殺における死者は、最低2000万人と言われています。・・朝日新聞社発行の現代用語集『知恵蔵』にすら載せられている数字です。
ところが、中国の教科書には『70万人が迫害を受けた』としか書いてありません。迫害とは言うまでもなく『苦しめること』であって『殺すこと』ではありません。実際には最低でも2000万人殺したのに、教科書では『一人も殺していない』とウソをついているわけです。中国の歴史教科書というのは、一事が万事この調子なのです。・・世界平和にとって最も危険な教科書、それは中国の歴史歪曲教科書です。」(まえがきに代えて)
「ナチスは600万人ものユダヤ人と500万人のポーランド人をホロコーストで大虐殺し、ドイツ国内の反対派も殺していますが、基本的に自国民を虐殺してはいません。ところが中国共産党は、確認できただけでも2000万人の中国人民を殺しています。・・しかも自国民をその国の軍隊が殺すという最悪のやり方で殺しているのです。自分の国の国民を殺すのは、世界的に見ても、中国と旧ソ連とカンボジアぐらいのものです。要するに共産主義国家です。」(p134)
読めば読むほど、中国の歴史教科書が分かる対談です。