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ことばに魅せられて 対話篇

価格: ¥1,680
カテゴリ: 単行本
ブランド: ひつじ書房
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「ことばの世界」へ誘う良書 ★★★★★
本書は、NHK基礎英語3のテキストに連載していた「ことばの世界を旅しよう」と、
「続・ことばの世界を旅しよう」に加筆修正を加えたもので、前著『探検!ことば
の世界』の姉妹書としての位置づけになっている。

内容としては、ことばに関する身近で不思議な現象をとりあげ、中学生以上であれば
誰でも楽しく読める内容である。そしてことばの世界の奥深さ、楽しさへ誘う試み
として書かれている。
筆者は、近年、日本語能力だけでなく、英語能力を高めるためにも、日本人の多くの
母語である日本語との対照により英語を捉える「言語教育」という概念を推し進めて
おり、その教育概念の根幹をなすような内容の本である。

構成としては、主人公3名の寸劇によって、ことばの面白さの世界に誘うようになって
いる。したがって、すべて対話形式で書かれており、絵(漫画)もふんだんに取り入れて
いるため、言語学の垣根を気にせず、とっつきやすいように配慮されている。
また、早乙女民さんのイラストもすばらしく、温かさの伝わってくる本であるように
感じた。

ことばの面白さへ誘ってくれる、良書である。
トリビアではない言語学のおもしろさに触れることが出来る一冊 ★★★★★
言語学の書籍では珍しい、絵で見せるカバーが目を引きます。

いつも非常にユニークで的確なお話しをされている著者なので、さてさて今回はどんな内容かな? と楽しみに本をひらいたが……この本は本当におもしろい!

普段何気なく使っていることばが実は不思議でおもしろい事がたくさん詰まっている、ということがよく分かる本なのですが、ただ不思議でおもしろいことを紹介するトリビアな本ではなく、言語学者の視点から科学的に説明されるので、すっと納得をすることがでる。

その説明がこれでもかというほど分かりやすい。イラストが随所にあり、取っつきやすいが、扱っている内容は決して幼稚なものではない。たとえば「バイリンガルの頭の中って一体どうなってるの?」という章では、まず普通の人とバイリンガルの人では頭の中って違うの? という誰もが思う問題提起から入り、昨今の研究ではどのようなことが明らかにされ、そしてされていないかということが分かりやすい語り口(対話!)で説明されます。

副タイトルが対話篇というのも意味深ですね。ぱらぱらとめくるとイラストやマンガがたくさんちりばめられているので、一見、「マンガで分かる言語学」か……といった印象を受けるけれども、そんな安易なものとは一線を画していました。いままで、本書のような楽しく内容のある、言語学に本当に興味を持って貰えるような入門書はなかったなと、読んでみてあらためて思う。

言語学に興味を持っている人はもちろん必読。また、内容的に英語や国語教育などにも重要な示唆が含まれているので、中高の先生にも読んで貰いたい。