アコースティックな調べが中心で、ギンギン(死語)のロックが聴ける作品ではない。フォーク、R&Bへの強い傾倒ぶりがこの頃のロッドの特徴だ。次作からはフェイセズでの活動を意識してロック色が強くなるのだが、本作まではバンドとソロの線引きがしっかりしていた。
ロッドの代名詞でもあるM-7が収録されているが、M-2、M-9でのソウルフルな歌唱も要注目。昔はこんなに真剣に歌っていたのね...と思わずにはいられない。M-5はボブ・ディランのカバー。
録音もあまり良くないし、時々リズムがよれたり、音程が外れたりするところもあるのだが、それも味。とにかく歌いたい!という熱い想いが感じられる。この頃のロッド・スチュワートはまぎれもなくアーティストだった。