素晴らしい
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酒井駒子さんの描く人々の目線、しぐさが大好きです。無理にポーズを取っているのではなく、自然の風景の一部を切り取ったかのような一瞬の表情を絶妙に描いてしまえる表現力。感嘆・感動。なんて言ったらいいのでしょう、胸が熱くなります。
絵本だけじゃなく、小説や雑誌の表紙になった絵も沢山載っていて、大量に駒子さんの絵を楽しむこととが出来ます。ファンの方は絶対買いっ!!ですよ♪
酒井駒子の魔法の森の中へ
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絵本作家・酒井駒子の世界が、存分に堪能できる一冊。縦300mm×横225mmの大判サイズの本の中に、作家の創作のエッセンスが雰囲気よく散りばめられていて、魅了されました。
創作の扉を開くキーワードとして、酒井さん自らが取り上げた十の言葉(と、それに続く文章)は、こんなのです。
◆「夜」・・・・・昼間でも、夜のことを思っている。
◆「ぬいぐるみ」・・・・・描くのは好きなんだけど、本当はちょっと怖い。いろんなことを思っていそうで。
◆「団地」・・・・・箱が好きなのは 団地に住んでいたのと 関係あるか ないか。
◆「箱」・・・・・引き出しも 劇場も 絵本も箱。
◆「家出」・・・・・17のとき家出をして、絵本の中でもよく家出をしている。
◆「風船」・・・・・「フウセン」と、口にするだけで楽しい。お祭りみたいな楽しさ。
◆「乗りもの」・・・・・機関車、飛行機、バスに電車。動くのが楽しい。形が面白い。
◆「鳥」・・・・・小さいころから たくさん飼って、でも、ちゃんと世話をしきれなかった。
◆「おかあさん」・・・・・子どものころのおかあさんは、近づいても 近づいても 遠い。
◆「雪」・・・・・はじめて雪を見たとき、窓の外は暗いグレーで、あとから あとから 白いものが 現われては下に落ちていった。3歳くらいのころ。ピンク色のセーターと いっしょに憶えている。
どこか寂しげで、ひそやかで、しんとした魔法が息づいている酒井さんの絵。静謐さを湛えた絵の数々にふれる喜びとともに、幼少期から現在までの自分を語った「インタビュー 小さな世界」や、お気に入りの「大切な本たち」のこと、創作の素材になっている「小さい友だち」「箱のもと」といったコラムも充実していて、わくわくさせられました。
個々のレイアウトもセンスがあるし、「酒井駒子ワールドにようこそ」ってあたたかな雰囲気にあふれていて、よかったなあ。くつろいだ気持ちで頁をめくっていって、いつの間にか、酒井さんの魔法の森の中に吸い込まれていました。
小さな、美しい世界
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「作家」としての酒井駒子を知る上で欠かせない一冊。
全体の構成は、「夜」「ぬいぐるみ」「団地」、など彼女自身が選んだという10のキーワードに沿って作品群が再配置され(例えば「夜」のパートには『金曜日の砂糖ちゃん』や『よるくま』などから「夜」のカットが集められ……)、それぞれのパートの間に、酒井さんをめぐる様々なもの・ことが挟み込まれたものになっています。
「様々なもの・こと」には、酒井さんの身近にある小さなものたち(みめ麗しい猫2匹も含む)の写真や、ご自身のエッセイ、生い立ちや絵本との出会いまでわかるロングインタビュー、作品の紹介、絵本のダミーやラフスケッチ、酒井さんの出会ってきた「大切な本たち」などなどがこれでもか、と盛り込まれています。しかも! 書き下ろしの絵本まで! とまあ、酒井さんに興味を持たれた方にはどんな入口からでも入れ、そして必ず新しい発見があるであろうとても価値の高いつくりになっています。
また、作品は、絵本の仕事だけでなく、一般の書籍や雑誌の表紙、映画のフライヤー、果ては学生時代の芝居のフライヤー(なんと酒井さんは役者さんだったことがある!)まで丁寧に網羅されており、ファンにはショッピングガイドとしても大変役立つでしょう(ただし、今や入手困難な「幻の仕事」も紹介されているので、コレクターさん的には逆に悔しい思いをするかもしれません)。
個人的には、「団地」のパートに載っていた酒井さんのエッセイ「団地の子ども」がとてもとてもいい文章で(作家さんに対して失礼ないいぐさですが)、多少時間がかかってもいいからこういう文章を集めて、画文集みたいなものを出してくれないかなー、きっと書棚の一番いい場所に置ける本になるなー、と妄想はめぐるのでした。
知りたかった人。
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満足。
酒井駒子さんの絵をこんなに一度にまとめて見られるなんて……!
酒井さんの描いた絵本以外の本、雑誌のカバーの装画も紹介した頁があります。
すべて持っているわけではないので、改めて見ることができて嬉しかった。
絵から想像していた酒井さんという人を10のコンテンツをなぞりながら、
少しばかり知ることができて、さらに想像がふくらみます。
酒井さんの小さな本棚も紹介されていて、そこには幾度となく頁を繰られたであろう
本たちが収められていました。
あっ、バーニンガムがある!シュルヴィッツがある!エッツも!セーラーとペッカも!
鏡花も賢治も!……と、私は下世話にも舐めるように見てしまいました。
見る者のこころをぎゅっと鷲掴みにして目をそらさせない
酒井さんの絵の魅力にとらわれてしまうのは私だけではないはず。
あどけない子どもを描きながら、なんという力のある眸をしているのだ、と
いつも気圧されてしまう私。
一日に何度も開いては、観ています。
とても素敵な雑誌。
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一冊丸ごと、酒井駒子さんの「小さな世界」満載の雑誌です。
酒井駒子さんの描く絵と世界観が好きな人は買って損はないと思います。
彼女が決めた10のキーワードに沿って、あの素敵な絵や絵本ができるまでや、彼女自身の背景などが紹介されています。それに沿って、たくさんの絵本からの絵やその他の絵が掲載されていて、見ごたえ・読み応えがあり、満足度の高い内容になっています。
酒井駒子さんの絵本は『よるくま』『きつねの神様』を始め何冊か持っていましたが、この雑誌をみて、さらに欲しい絵本が何冊か見つかりました。