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太陽の季節 (新潮文庫)

価格: ¥540
カテゴリ: 文庫
ブランド: 新潮社
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いい意味でも悪い意味でも独善的作品 ★★★☆☆
 全5編中、『太陽の季節』『灰色の教室』『処刑の部屋』についてはどれも独善的な断定が気になった。特に最初の2編は登場人物のせりふで自己主張するよりも、地の文で「〜なのだ。」と書いてしまっているところが、若気のいたりというか、今の時代に読むとしらけてしまうところがある。それでもそういう文章の暴走ぶりが、描かれている内容とも相俟って、当時は社会的現象をまで引き起こしたのだろう。
 作品内容から見ると、芥川賞を受賞した表題作は英子の視点がところどころ入るのが、不満だった。女性心理を描けているとも思えないので、竜哉の視点に徹した方が(徹するということが作者の主張でもあるだろう)よかったと思う。処女作だという『灰色の教室』は何でもかんでも突っ込んでいてまとまりに欠ける。『処刑の部屋』はさすがに作品として完成されているという感じ。
 『ヨットと少年』『黒い水』は上記3作に比べると無闇に突っ張った主張がないだけ、ストーリーのおもしろさが増していると思った。
いつの間にか絶版になっていたんだ、へ〜 ★☆☆☆☆
石原慎太郎の迷作。

この小説で石原氏はスターダムにのし上がり、
さらに言うならば、現在の政治家(そしてクリエーター)の地位を築き上げる基礎になった。

内容を要約すれば“性と暴力”である。
もっと言えば女をおもちゃにした男の自堕落さと
愛しながらも振り回されて死んでいく女の物語である。

この小説自体は今から読めば大したことはありません。
文章は悪いし、ストーリーに守備一貫な部分もない。
エログロナンセンスの端くれにするのもおこがましい駄作である。
おそらくは50年代に流行ったアメリカンな作品の影響下で生まれた小説ではあるまいか?
だがモデルのなったとおぼしき「欲望という名の電車」あたりの作品のように
社会問題や人間の綾というものはない。性と暴力の表層をなぞっただけの代物である。
任侠ものやポルノ作品の方がはるかに男女の人間関係、友情に深みがあると思う。


この作品は当時の社会の若者に多大な影響をあたえ、
映画化に際しては表現規制の原点になった作品である。

で、この作者が二次元規制を推進しようとした張本人の一人でもあるわけだ。
過去、この作品で己が地位を築き、表現の世界にパンドラの箱を開けた張本人なのに。

自ら開けたパンドラの箱なら、最後まで見届けろ。
それがクリエーターたる貴方の役目であり宿命だ。

晩年のこの言論弾圧で、彼は作家としての原点に泥を塗った。

他人の表現芸術を規制しようとした人間の作品は
過去のものも含めて一切評価すべきではない。

芸術家あがりの政治家で自分の趣味以外の芸術を弾圧した
アドルフ・ヒトラーと同罪と私は考える。
否、それより酷い。
ヒトラーは芸術家として認められなかったルサンチマンから
あの道を選び取ったが、貴方の世界はあの時代に受け入れられ、
今の地位をそれで購ったのではないか!!
今読んでも新鮮な印象を与えてくれる! ★★★★★
ボクシングで相手を翻弄しドライに攻め立てるように、女も自分の思い通りに翻弄し冷淡に扱うことに、ある種の快感を感じる肉食系な青年のストーリーだ。
文章の構成は非常に勢いがあり、読んでいるうちにその世界に入り込むことができる。ただラストは石原慎太郎らしく過激である。
その時代にPTAがイチャモンつけたのも分からないではない。賛否両論あるが、私は、こういう過激な終わり方は印象に残るので好きだ。
それにしても、この小説が1955年に書かれたものとはとても思えない。まだ20代の私からしたら、戦後10年目というとまだ陰惨で薄暗い日本というイメージしかわいてこない。
しかし、この小説を読むとそのイメージは全く感じられず、むしろ若者は遊び熱心で、その時代は生き生きしているという印象を持ったくらいだ。
むしろ、今の時代のほうが、若者は草食系ばかりで、どこか陰惨で薄暗く、日本自体もそれを反映しているかのごとくジメジメしている感じを持ってしまうほどだ。
私は、この作品に出会い、今まで石原慎太郎を都知事としてのみ評価していたが、これからは、現代に生きる尊敬できる作家としても評価したい。
著者の豊富な人生観を知れる1冊。 ★★★★★
一橋大学在学中の弱冠23歳で石原慎太郎が書き上げた作品。

内容は、妄想だけでは書けない、経験してきたからこそ書ける、とにかく驚きの連続!自分と同年代でこんなにもさまざまな経験をしていた著者にただただ畏敬の念を示すしかない。
ちょっと… ★★☆☆☆
私にはあわなかったようです…
「太陽の季節」について述べさせていただきます。

主人公がひどいです。腹が立ちます。我が道をいきすぎてます。
そしてやり場のない怒りがおさまることなく終わります…!

ただ、当時これがかなりセンセーショナルだったことは悔しいけど納得です。
これが1955年に書けるのはすごいと思います。
いい意味でも悪い意味でも、世の中に大きな影響を与えたことに間違いはありません。
感情的に読まないで、ある種の研究対象として捉えられれば面白いと思います。

内容以外のところで気になったのは、文章が読みづらいところです。
助詞がたまに変なような…?(それがこの文の持ち味だったらすみません)