UFOについて真剣に考える
★★★★★
最悪の事態を考えると、二つのケースがあると思う。第一にSFではないが宇宙人との物理的戦争が突然始まる場合、第二に判っていない人にはいつまで経っても判らないがこのまま半永久的に意識的妨害を受け続ける場合。少なくともこの二つの場合を想定した備えをしていかねばならない。
本書は戦後UFO事件史をおさらいしていくことで今後新しい情勢下でこの問題と真に向き合うことを促している。UFOの目撃→宇宙人との遭遇、接触→宇宙人による誘拐へと一貫してエスカレートしている体験を単に「神話」に読み替えるだけの試みが本書なのではない。寧ろ、古代神話をも宇宙人遭遇事件、交渉史として読み替えた上で、真の解決を図ろうとする最もスリリングな知的情熱が全編に溢れている。